<錬磨の22年>京都国際・センバツへ/中 チーム支える2投手 左右の柱、異なる持ち味 /京都
京都国際の投手陣は1、2年合わせて14人。部員40人の3割超を占めるなど、層の厚さが特徴だ。その中でも、2020年秋の府大会や近畿大会でマウンドを任される「ダブルエース」としてチームを支える、2人の1年生投手がいる。左の森下瑠大(りゅうだい)投手と、右の平野順大(じゅんた)投手だ。 「秋はバッテリーで勝った」。小牧憲継監督が振り返る。秋の府大会2次戦は平野投手が背番号「1」を付けたが、近畿大会全3試合は森下投手が「1」を背負った。「本当に悔しくて絶対に取り返したいと思った。甲子園のマウンドは、自分が背番号1を付けて投げる」と平野投手。投手コーチを務める宮村貴大部長は「2人とも足にけがをしていたので、回復具合とコンディションを見て背番号を託した。利き腕も持ち味も異なり、比較するのは本当に難しい」と明かす。 2人は打撃面でも、チームを引っ張る。秋の府大会と近畿大会を通じた打率は、森下投手が4割5分8厘、平野投手が4割1分9厘と主軸を担う。森下投手は「甲子園はきっとレベルがより高い。そこでも通用しなければ意味が無い」と、甲子園での目標に打率5割を掲げる。平野投手も「完封勝利し、打てるところで打てるだけ打つ」と負けていない。 2人に続く3番手として期待されているのが、秋の近畿大会で背番号「10」を付けた金森塁投手(2年)。「いつかエースに」と小牧監督も想定していたほど、身長180センチ、体重80キロの体格から繰り出される速球を武器にしていた。ただ、調子に波があり、登板の機会をなかなかつかめないこともあった。金森投手は「どんな場面もしっかりと抑え、ピンチでこそ燃える投手になりたい」と意気込む。 他にも、広部航大投手(2年)はアンダースローで、ボールの出所が見えにくい投球が持ち味。今井希優投手(2年)は制球の良さが光る。フォームが固まらなかった森飛竜投手(2年)も投球感覚をつかみ始め、この冬で球威を上げた。少年野球やリトルシニアで全国大会に出場し、経験豊富な木谷奏太投手(1年)や、大きく曲がるスライダーが魅力の森田大翔投手(1年)など人材は尽きない。 課題は、バックを固める野手陣の守備だ。秋の近畿大会3試合でチームの失策数は計6。小牧監督も「うちは捕球や送球でエラーが目立つ。どこまで少なくできるかが甲子園までの課題だ」と語る。エースナンバー、そしてレギュラー入りを懸ける投手陣も、守備で支える野手陣も「練磨」の日々が続く。【中島怜子】 〔京都版〕