福島県産米JA概算金大幅増 歓迎と購入価格上昇への懸念交錯
従業員12人と共に約150ヘクタールの水田でコシヒカリやひとめぼれなどを育てている。堆肥や鶏ふんの仕入れ価格を取引先と再交渉するなど経費を抑える工夫を進めてきた。「さまざまな物の価格が高騰する中、今年の概算金は妥当な上げ幅だ」と前向きに捉えるが、今後は従業員の賃上げなどの対応もあり不安は尽きない。 県産食材を生かした駅弁を製造・販売する郡山市の福豆屋はJAや地元業者から市産米などを購入している。専務の小林文紀さん(63)は「弁当はコメが命であり、量は減らせない。食材の無駄を出さないなど企業努力を重ね、頃合いを見て値上げを考えたい」と苦悩をにじませた。 農家から直接コメを仕入れて販売している大玉村のあだたらの里直売所店長の矢吹吉信さん(50)は「直売所販売分の値上げもやむを得ない」と打ち明けた。