ヘチマたわしで海守ろう 青森市の児童、マイクロプラスチック減へ取り組み
微細なプラスチックごみ「マイクロプラスチック」の排出を減らして海を守ろうと、青森市の小柳小学校と篠田小学校の4年生の児童たちが、プラスチックのスポンジではなく、自分たちが育てたヘチマでたわしを作って使う「ヘチマプロジェクト」に取り組んでいる。来年の大阪・関西万博では、優れた取り組みを会場で展示・紹介する「ベストプラクティス」という企画があり、ヘチマプロジェクトも選ばれることを目指す。 食器洗い用スポンジは、使用すると摩耗によってマイクロプラスチックが発生し、それが海に流れると海洋汚染につながるとされる。 同プロジェクトは、関西地方の企業などで構成する「関西SDGsプラットフォーム共育分科会」が2022年度から、大阪府や兵庫県の小学校や保育園などと共に取り組んでいる。今回、青森明の星短期大学元教授で、スポンジからマイクロプラスチックが出る量を調査した経験がある山口章さんを介し、初めて青森県の2校も加わることになった。 5月31日、共育分科会の事務局を担う毛髪クリニックリーブ21(本社大阪市)の担当者らが小柳、篠田の両小学校を訪れ、出前授業を行った。児童たちは、マイクロプラスチックが海に流れ出ると、魚が餌と勘違いして食べてしまい、その魚を食べる人間の健康にも悪影響があることを学んだ。 小柳小の山中淳平さんは「ヘチマでスポンジが作れることを初めて知った。ヘチマを順調に育てて、たくさん作りたい」、古村依心(いろ)さんは「プラスチックのスポンジを使うと魚たちと人間たちも困ると分かった。ヘチマたわしを早く使ってみたい」と話した。 同日は小柳小の野沢寿恵校長、篠田小の森山浩平校長、リーブ21の担当者、山口さんが青森支店長を務めるソフトウエア会社・ドラゴン・エージェンシー(本社名古屋市)の代表取締役の4者が調印式を開き、連合チームを結成。「ベストプラクティス」入りを目指すことを確認し合った。