試験攻略のプロ・東大生が説く「無駄な勉強」「試験合格への最短ルート」とは?
『東大生が書いた 英語試験の攻略本~TOEICⓇ・TOEFLⓇ・英検Ⓡを最短で突破する勉強法』(東大カルぺ・ディエム 著、西岡壱誠 監修、大和書房)の目的は、英語を話せるようになることではないのだそうです。なぜならタイトルにあるとおり、「試験としての英語」の攻略本だから。 また注目すべきは、著者が自分たちのことを「あくまで東大生の集団であり、外国語習得や言語学のプロ集団ではありません」と断言している点です。 さらには東大生としての立場から、ひとつ「自分たちはこれに関するプロである」と自負しているものがあるのだそうです。 それは、「試験攻略のプロである」ということ。どんな試験であれ、出題された問題に対して一定以上の点数を取ること、または合格を狙うものについては、プロであるという自覚を持っているというのです。 事実、本書の執筆陣のなかには、英語がまったくできない状態から英検準1級を獲得した人や、わずか3か月の勉強でTOEFL iBT約90点を獲得した人もいるのだとか。 しかし、そんなメンバーの多くは、「今は英語を使えるけれど、英語が話せるようになったのは資格試験に合格したあとからだった」と述べています。(中略)試験の勉強は効率的に最短距離で勉強して、英語を話せるようになるのはその後からでもいいのです。(「はじめに」より) 進学や就職・転職活動、仕事の都合などのため「とりあえず試験を突破する必要がある」という方もいらっしゃるでしょうが、それでもまったく問題はないということのようです。 そうした考え方に基づいて書かれた本書の第1章「すべての試験勉強は『過去問』から始まる」のなかから、基本的な考え方を抜き出してみたいと思います。
英語試験を突破したいなら、まず「過去問」を解け
効率的に英語試験を突破したいなら、まずやるべきことは参考書を買うことでも、英単語を覚えることでも、計画を練ることでもなく、自分が受ける試験の過去問を解くことだと著者は断言しています。 もちろん、いきなり過去問を解いていい点が取れる人はほとんどいないはず。しかしそれでも、どんな勉強を始めるよりも先に、過去問を解く必要があるのだというのです。なぜならそれが、英語の試験を最速で攻略するためにもっとも重要なことだから。 泳げるようになりたいなら、まず水の中に飛び込んで、溺れそうになりながらも、犬かきでいいから前に進んでいく方が、泳ぎをマスターするスピードは速くなります。 こうして一度水に入っておけば、泳ぎ方や身体の動かし方の説明を受けても「あ、あのときはこうすればよかったのか」とより話がわかりやすくなると思います。 「最終的にどういう状態になりたいか」というゴールがわかっているから、普段の練習の質も高くなるのです。(13~14ページより) 同じことが、英語の試験にもあてはまるわけです。つまり英語の試験で点を取りたいのであれば、まずは英語の試験問題を解いてみるのがいちばんだということ。 当然ながら解けない問題のほうが多いかもしれませんが、それでOKなのだそう。いうまでもなくそうした経験こそが、以後の大きな資産になっていくからです。(12ページより)