豊漁か豊作か…綱引きで占う伝統行事「夷子大黒綱引き」熱気 福井県敦賀市で4年ぶり
1年の豊漁と豊作を占う国指定重要無形民俗文化財の「夷子(えびす)大黒綱引き」が1月21日、福井県敦賀市相生町の旧西町通りで4年ぶりに行われた。大勢の見物客が見守る中、大黒方が勝ち、今年は「豊作」と出た。 旧西町で400年以上続いてきた伝統行事。地元民だけでなく見物客も綱を引くことができ、夷子方と大黒方が綱を引き合い、夷子方が勝てば豊漁、大黒方なら豊作の1年になるとされる。新型コロナウイルスの影響で昨年まで3年連続で中止となっていた。再開に当たり今年は「参加型」を強く打ち出そうと、準備段階の大綱作りも市内外に協力を呼びかけ、多くの市民らが参加した。 夷子役をJR西日本金沢支社敦賀地域鉄道部の北林荘八部長(49)、大黒役を米澤光治敦賀市長(56)が務めた。「夷子勝った、大黒勝った、エンヤ、エンヤ」と威勢のよい掛け声が響く中、2人が通りを練り歩いた。お立ち台に到着すると、軒下につり下げられていた長さ約50メートル、直径約30センチの大綱が投げ下ろされ、綱引き開始。漁業、農業関係者に加え見物客らも参加。白熱した引き合いに会場は熱気に包まれた。 伝承協議会の木下章会長(79)は「多くの人に参加してもらい盛り上がることができた。今後も継続していきたい」と話した。
福井新聞社