メイウェザーも批判?!WBC世界ヘビー級戦のドロー判定で論争勃発
WBA世界バンタム級王者、井上尚弥(大橋)に敗れた元WBA世界バンタム級王者、ジェイミー・マクドネル(英国)のトレーナーとして来日していたデイブ・コールドウェルも、「私はワイルダーには、10-8のラウンドを2つと、もう1ラウンドを与えたが、それだけだ。フューリーの今夜は素晴らしく、唯一の勝者のように見えた」とツイートした。 元6階級王者のマニー・パッキャオは、「計画通りに試合を実行したフューリーに敬意を。ワイルダーも得点差を詰める2つのダウンを奪った。 再戦が待ちきれない」と綴り、試合会場となったステイプルズ・センターを本拠地とするNBAのロサンゼルス・レイカーズのスター選手のレブロン・ジェームズの「今まで見た中で一番面白くて、クレイジーな戦いだった」との声も紹介されていた。 同じく英国のザ・サン紙も「『恥』メイウェザーはフューリーがワイルダーにヘビー級タイトルを『奪われた』ことに『うんざりして立ち去る』」との見出しを取り、メイウェザーのコメントを引用して引き分け判定を批判した。 記事は「メイウェザーは5ラウンド終了時にインタビューを受け、フューリーの勝利を支持していた」と断言。メイウェザーの以下のコメントを紹介した。 「ワイルダーは一撃に頼っている。大きな一打を探っている。ファイターとしては、他の武器も使わなければならない。フューリーはコンビネーションがあり、とても速いジャブを放ち、(試合は)彼の時間だ。もしワイルダーが何もしないまま、この差で行けばフューリーが勝つだろう。ここまでのポイントをどう見るか? 今のところ、(フューリーの)5-0だ」 またBBCも、「ワイルダー対フューリーの戦いは『ヘビー級のすべての勢力図を変えてしまった』」との見出しを取り、BBCでボクシングのコメンテーターを務める元格闘家のマイク・コステロ氏の「論争や討論を生んでしまったが、我々の多くが恐れていたような嫌な終わり方ではなく引き分けだった。物議を呼ぶというよりも議論を引き起こしたというところだ」との見解を伝えた。 さらにコステロ氏は、「アメリカでのヘビー級ボクシングにとっては素晴らしい夜だった。彼らにはもう一度戦うべきとの喧騒が起きており、今、ヘビー級の戦力図のすべてが変わってしまった」と続け、当初、ワイルダーがタイトルを防衛した後に、WBAスーパー、IBF、WBO3団体統一王者のアンソニー・ジョシュア(英国)との4団体統一戦を計画していたヘビー級の勢力図が、この一戦で激変したことを指摘した。 「彼ら3選手の順列や対戦をこの2、3年で見ることで、我々は、今、レノックス・ルイス、イベンダー・ホリフィールド、リディック・ボウがいたような時代にさしかかっているのかもしれない」と続けた。 一方、米国のスポーツ専門メディアESPNは「ワイルダー対フューリーの一戦は引き分けに終わり両者は再戦を呼びかけた」との見出しで「幸いにして彼らには再戦条項がある。ワイルダーはフューリーを2度倒したが、フューリーも試合の多くで優位に立ちジャッジからポイントを得た」と、引き分けに終わった注目カードを冷静に報じた。 そして、「ワイルダーは12ラウンドにフューリーを激しくダウンさせて、ほぼノックアウトするところだったが、フューリーは立ち上がった。おそらく再戦となるだろうこの一戦の今年度、最も記憶に残るラウンドへの戦いへ舞い戻った」と、最終ラウンドに、ワイルダーの右ストレートから左フックのコンビネーションブローを受けてリングに大の字になったフューリーが奇跡的に立ち上がってノックアウトを逃れたシーンをクローズアップしていた。 この試合のジャッジを巡っての論争は、まだまだ続きそうだが、早くも再戦の気運が盛り上がってきた