シュウマイあるところ、名店あり!(中華料理店編)【みんなが知らない、シュウマイの実力】
もうひとつは、調理環境に手間を惜しまない姿勢が感じられること。中華料理店関係者が声を揃えて語るのが、中華料理は他の料理に比べて火元(コンロ)を多く使うのが特徴。そのため、スペースが限られた飲食店では、火元の数が限られ、調理の選択肢も限られる傾向にあります。 先にも触れた通り、現在は焼き餃子が大半の中華料理店で提供されており、その調理環境は焼き餃子を前提に設計されていると推測できます。 一方、シュウマイは蒸し器を常時置くために、火元をもうひとつ使わなければならず、焼き餃子を優先することを考えると、設置を見送ることになるのも仕方ありません。 そんな焼き餃子中心の今日において、あえてシュウマイを提供している店は、その火元とスペースをわざわざ確保しているということです。 それだけのことをしてまで提供するのですから、シュウマイにそのお店の思いとこだわりが詰まっている可能性が高いことは、容易に想像できると思います。 最後は、シンプルかつ丁寧な料理の技術を持つ証明になるということ。中華料理店のシュウマイの大半は、基本の豚が中心のシンプルなスタイル。数ある中華料理の中でもクラシックかつシンプルな料理とはいえ、その中で美味しさをしっかりと表現できるということは、一定以上の調理技術があることにつながると言えると思います。 シンプルなものほど難しい。逆に、シンプルなものが作れれば、どんな料理でも美味しくできるというわけです。 この3つの根拠に、まだ疑問を持っているかたもいると思います。最後にダメ押しの根拠を。 先にも触れた、昨今の町中華ブームの火付け役と言われている番組「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)で紹介される名店のなかに、シュウマイが登場する確率は高いです。 ちなみに、私が代表を務める「日本シュウマイ協会」が制定した「シュウマイの日®」(2月26日)に合わせた放送では、シュウマイを出す店を特集で組んでくれました。 それでもまだ疑問を持たれた方は、中華料理店選びにシュウマイの有無を是非、参考にしてみて下さい。私の法則が、あながち的外れでないことがお分かりいただけるはずです。 ただ、それ以前にシュウマイそのものが、中華料理店には少ないという厳しい現実に直面することになりますが......。 文・写真/シュウマイ潤