【Playback箱根駅伝】第58回/往路、復路ともに2位の順大が連覇 早大25年ぶり復路V
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第58回箱根駅伝総合成績をチェック
第58回(1982年/昭和57年) 日体大は9区でまさかのブレーキ 早大は9区坂口泰が区間賞
順大が11時間30分00秒で2年連続4回目の総合優勝を果たした。だが、順大は往路、復路とも2位。往路も復路も優勝せず、総合優勝をしたのは第50回大会の日大以来8年ぶり5回目のことである。 順大は1区の吉田富男が区間賞を獲得して、2位の日体大を46秒リードするが、2区で日体大の大塚正美が区間賞の走りを見せて先頭に立った。3区で2校の差は2分5秒に広がったが、4区で順大の中島修三が区間賞で追い上げ、小田原でその差は8秒に詰まった。 5区では日体大の岡俊博が区間賞で箱根の山を駆け上がり、順大を引き離して2年ぶりの往路優勝。順大も26秒差で粘り、復路に望みをつないだ。 逃げる日体大は6区で谷口浩美が58分04秒の区間新記録をマークして、順大との差を2分51秒に広げる。 7区で1分31秒差に詰まるが、8区でも藤井修が区間賞で引き離し、戸塚中継所の時点での差は1分53秒になっていた。 距離にして約500mの差があり、日体大の逃げ切りが有力と思われたが、日体大の9区を走る前田直樹のペースが上がらない。それを順大の神田修がじりじりと追い上げると18kmの東神奈川で前田をとらえて逆転。鶴見中継所では逆に1分46秒の差をつけた。 日体大は10区で差を詰めたが、9区でのビハインドは大きく、56秒差で順大が振り切った。復路優勝は往路7位から5位まで順位を上げた早大。9区区間賞の坂口泰をはじめ、復路5区間は全員が区間7位以内と安定した走りを見せた。 惜しくも優勝を逃した日体大の岡野章監督はこの年を最後に退任。熱心な指導でスピード駅伝の先駆けとなり、監督在任19年間で5連覇を含む優勝8回、準優勝5回の成績を残した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部