月「60時間」以上の残業割増率は「50%」以上? 計算方法も理解しておこう
残業をすると残業代が支払われるのは周知の事実だと思いますが、残業代がどのような仕組みになっているかは分からないという方もいるかもしれません。 そこで本記事では、月60時間以上残業した場合の割増賃金率について解説します。また、残業代の計算方法についても併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
月60時間以上の残業割増率は50%以上
労働基準法第三十二条では、労働時間を「1日8時間・週40時間以内」と定めています。そのため、この時間を超えると会社は割増賃金を支払う必要があるのです。 割増率は通常の時間外労働であれば25%以上ですが、月60時間を超えた場合は50%以上となります。ちなみに、現在の割増賃金率は表1の通りです。 表1
※厚生労働省 東京労働局「しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編」を基に筆者作成 なお、月60時間を超える残業を深夜(22時~5時)に行った場合は、時間外賃金割増率50%+深夜賃金割増率25%で75%となります。ただし、休日労働は月60時間の時間外労働の算定には入りません。
残業代の計算方法は?
残業代の計算方法は以下の通りです。 ・残業代=1時間あたりの基礎賃金×残業時間数×割増賃金率 例えば、月給30万円、年間休日120日、1日8時間労働の方の場合、1時間あたりの基礎賃金は以下のようになります。 ・(365日-120日)×8時間÷12ヶ月=約163時間(1ヶ月の平均所定労働時間数) ・30万円÷163時間=約1840円(1時間あたりの基礎賃金) もし、この方が月70時間の残業(深夜・休日労働なし)をした場合、残業代は以下のようになります。 (1)1840円×60時間×1.25=13万8000円(60時間までの残業代) (2)1840円×10時間×1.5=2万7600円(60時間を超えた分の残業代) (1)+(2)=16万5600円 なお、割増賃金の基礎となる賃金は、原則家族手当や通勤手当を抜いた金額です。 ただし、すべての手当が除外されるわけではないため、不明な場合は労働局や労働基準監督署に問い合わせて確認してください。
月60時間以上残業した場合は割増賃金について確認を
時間外労働した場合の割増賃金率は基本的には25%以上ですが、月60時間以上残業した場合については50%以上です。そのため、もし60時間以上残業している場合は、念のため給料が正しく計算されているか確認することをおすすめします。 計算は少し面倒かもしれませんが、難しいものではないため、一度チェックしておきましょう。 出典 e-Gov 法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号) 第三十二条 厚生労働省 東京労働局 しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部