出世したくない若者が増えている!? 「管理職」になると一般社員に比べてどのくらい収入が増える?
近年、若者の間で「出世拒否」の傾向が強くなっているといわれています。一般的には出世することで収入が増加し、社会的地位も向上するというメリットが考えられます。それにもかかわらず、なぜ一部の若者は出世を望んでいないのでしょうか。 この記事では出世拒否の背景について、また管理職の収入などに関する現状などを考えてみます。
将来、役職者になりたくない若者はどれくらいいる?
東晶貿易株式会社が運営する転職メディア 「転職サイト比較plus」 が20代の男女を対象に行ったアンケート調査 (2022年6月) の結果では 「将来役職者になりたいと考えますか?」 という質問に対して 「いいえ」 と回答した割り合いは全体の77.6%と大多数を占めていました。 昭和のように多くの方が、がむしゃらに働き、出世を目指した時代に比べると驚くような結果といえるかもしれませんが、現在では出世を望まない若者が昔よりも増えていると考えられます。 出世をしたくない理由としては 「責任のある仕事をしたくない」 が最も多く、続いて 「プライベートを大事にしたい」 となっていました。 この2つの回答が目立って多くなっていることからは、近年の若者は重い責任を負ってまで出世したくない、出世して仕事の量や時間が増えるよりもプライベートを優先したい、と考える傾向が強いとみてとれます。 ただし、出世は望んでいなくても、お金が欲しくないというわけではないようです。 出世をしたくない理由のうち 「給料UPに興味がない」 という回答は、ほかと比べて極端に少なくなっているため、適度なお金と時間がある、いわばワークライフバランス重視の生活を求めているのではないでしょうか。
管理職になると一般社員に比べてどれくらい年収が増える?
同調査の結果では、20代で出世を望まない方が全体の約8割を占めている一方で、出世したいと回答している方もいます。 理由としては 「給料を上げたいから」 という回答が圧倒的に多くなっています。では統計をもとに管理職に出世した場合、役職のない一般職と比べてどれくらい年収が増えるのか確認してみます。 厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査の結果から試算すると、非役職者の平均的な年収 (企業規模10人以上の企業での定期給与額を年収に換算し、年間賞与、その他特別給与額を合計した金額) は451万2000円となります。 非役職者の平均年収に対して、課長は783万6800円、さらに部長級になると913万2800円と増えていきます。 統計をもとにした平均ではありますが、一般職との差は課長で332万4800円、部長では462万800円と、出世によって年収が大幅にアップすることが想定されます。