【花野井くんと恋の病】小林千晃が「センチレベルの繊細さ」で追及した恋愛の距離感
作品の「ドキドキ感」を求めてスタッフと一緒に模索する作業を
――花野井くんと小林さんの中で共通点などはありますでしょうか。 小林 僕は結構飽き性で趣味とか部活なんかは続きにくいタイプなんですけれど、瞬間的に一つのことに熱中することがありまして、そういう部分に関しては共感できるなと思いました。 ――では、逆に理解できない部分は? 小林 大切な人のためとはいえ、早起きして自分の睡眠時間を削るっていうのは考えられない。僕は常に時間ギリギリに行きたいタイプなので(笑)。 だから花野井くんは本当にすごいですよ。恋愛に一途なだけじゃなく、自分の生活のすべてをほたるちゃんに費やすことができるんですから。 ――実際に花野井くんを演じるにあたって、小林さんが大事にされたことは何でしょうか。 小林 花野井くんはすべての行動指針が「ほたるちゃんファースト」で、発する言葉のすべてが “ほたるちゃんへの提案” みたいな気がするんです。なので、僕も「こう言うと、ほたるちゃんにどう思われるかな」なんて意識しながらお芝居しています。 ――アフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか。 小林 笑いが絶えない穏やかな空気感がありました。僕も含めてキャストのみんなに忘れていた高校生の青春を思い出させてくれる、ほっこりする現場でした。 ――ほたるちゃん演じる花澤香菜さんのお芝居に関しては、どう思われましたか。 小林 聞いていて「落ち着くなあ」と思いました。花澤さんの声には幼さを感じさせながらも花野井くんを受け止める包容力や寛容さを感じるんです。その演技の絶妙な匙加減に唸らされました。 ――スタッフの方から具体的なディレクションを受けた部分などはありますか。 小林 ほたるちゃんとの距離感をすごく大事にされていて、そこは細かい指示が出ました。生っぽく声を聴かせたいということで、物理的にマイクとの距離感なども調整されました。あまり近づきすぎると音がガサガサ鳴ったりするんですが、絶妙なバランスを求めて「もう5センチだけ近く」みたいな指示も出たりして。 ――すごく繊細な取り組みをされているんですね。 小林 そういう作品のドキドキ感をどうアニメに反映していくのかを模索していく作業は、スタッフの皆さんと一緒に作品作りを行っている感覚が味わえて、楽しかったです。 ――最後に、ファンの皆さんへメッセージを戴けますか。 小林 花野井くんとほたるちゃんは、「普通」からはちょっと離れているんですけれど、いろいろなことを体験する中で成長していきます。そんな二人のやり取りはとても面白いし、勉強になる部分もあったりするので、キュンキュンしながら見守り続けていただけると幸いです。 (C)森野萌・講談社/「花野井くんと恋の病」製作委員会
アニメージュプラス 編集部