「きもちわるい」水槽に「おいしい深海魚」水槽!? マニアックさが人気の竹島水族館がリニューアル
コロカルニュース
■規格外のユニークさ、マニアも虜にする竹島水族館! 水族館の大きさが1000平米ほどの小さい規模でありながら、地元の人はもとより、マニアも虜にする愛知県蒲郡市にある〈竹島水族館〉、通称「タケスイ」。 【写真で見る】50匹以上いる「うつぼ」の展示もおもしろい。 地元の三河湾で捕れた魚が展示されていたり、詳細な魚の解説が手書きだったり、水族館なのにカピパラのショーが上演されたり(※)と、スタッフのアイデアと愛による、魅力あふれた水族館なのです。 ※現在は、飼育展示を休止。新エリアでのクラウドファンディングを実施中。 そんなユニークな竹島水族館が、2024年4月1日にリニューアルオープン。テーマも「More Deep」とし、深海生物のスペースが拡大されました。 ■県内での深海魚水揚げ1位の地域密着型水族館 現在、およそ550種類、約5000匹の生き物が生息している竹島水族館には、常時、約90種類、多い時には約140種類もの深海生物が飼育されています。これは全国NO.1を誇る数だとか(竹島水族館調べ)。 その理由は、自然豊かな蒲郡市が、深海生物の愛知県での水揚げ量が90%を占める「深海のまち」だからです。県内の「沖合底引き網漁船」4隻のすべてが、市内の漁港にあります。この立地を生かした竹島水族館では、魚を鑑賞するだけでなく、展示している地元で捕れたた魚を調理して食べる「タケスイをいただきます!」というおもしろいYouTube企画も行っています。 スーパーで売っている地魚を、水族館が飼育していることもユニークですが、珍しい生物の生態を知るだけでなく、生活と密接に関わっている魚を観察できるところが大きな特徴だといえます。 ■魚屋さんに並ぶ魚が泳ぐ水槽の名前もユニーク 今回のリニューアルでは、人気の深海生物を細かく分類、水槽の数も増えました。イソギンチャクやテヅルモズルなどの「キモキレイ」水槽や、カニがうじゃうじゃと動いている「きもちわるい」水槽など、独特なネーミングに、思わず笑ってしまいます。また、各水槽での温度調節が可能になったことから、低い温度帯に生息するキンメダイやアマダイといった、通常魚屋さんに並んでいる魚たちも「おいしい深海魚」の水槽で泳いでいる姿を観察できます。 ■「きもかわ」ブームで年間40万人を超える来場者に! タカアシガニ、イガグリガニやナヌカザメに加え、新たに加わったノコギリザメ、フトツノザメといった大きなものから、きもかわで人気を集めた顔面がユニークなオオグソクムシなど、多彩な顔ぶれがそろっています。深海生物は、低温での水温管理が必要なため、飼育管理が難しいのですが、竹島水族館では、日本で初めてオオグソクムシの孵化にも成功。 こういった職員の努力もあり、小さなローカル水族館でありながら、年間約40万人もの観光客が訪れる人気水族館となっているのです。 ■展示生物は常に変化し、飼育員の仕事も多岐にわたる 竹島水族館は、民間運営のため、入場者数の増減は、経営にも大きく影響します。そのため、人気の出た魚は、小さな水槽から大きな水槽へと出世することもあり、逆に反響の少ない魚は、展示からバックヤードに降格し、展示方法を変えて、再デビューするのだとか。展示スペースが限られている竹島水族館では、魚が来場者に愛されるよう、常にスタッフが努力を続けているのです。 一時期、入場者数が激減し、運営がピンチになったことがありました。このピンチを救ったのも職員のアイディアによる「さわりんぷーる」です。眺めるだけでなく、実際に珍しい深海魚に直接触れ、体感できる楽しさが、竹島水族館の魅力になっています。