いま、大阪で見たい展覧会5選。安藤忠雄設計の新ギャラリーの柿落とし展、「線表現の可能性」など
「線表現の可能性」(国立国際美術館)
かつては完成作のための習作や下絵、あるいはデッサンとしての役割を担い、近代には、抽象絵画などを通して線表現そのものに独立した価値が見出され、絵画の原点であると同時にいまもなお、その表現領域を拡大し続ける「線」。本展では、国立国際美術館のコレクションから版画・素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点を選び、現代美術における線表現の多様性を紹介する。展覧会レビューを公開中。 会場:国立国際美術館 会期:2024年11月2日~1月26日
「GUTAIは生きていた」(ICHION CONTEMPORARY)
1月11日に東梅田にオープンした新ギャラリーのオープニング展。ギャラリーの設計は安藤忠雄が担当している。具体美術協会の作家に焦点を当てる本展では、その会員であった向井修二による新作インスタレーションとコレクション作品を通じて、具体の歴史的意義と美術史への影響を探るとともに、現代における価値と未来への展望を探求する。あわせて吉原治良や白髪一雄といった具体の代表的な作家の作品も展示される。 会場:ICHION CONTEMPORARY 会期:1月13日~3月29日
「Osaka Directory 8 Supported by RICHARD MILLE 谷中佑輔」(大阪中之島美術館)
身体の主体性や、環境、様々な関係性のなかで身体が社会的に位置づけられるありようを、彫刻やダンス、パフォーマンスなどで表現してきた谷中佑輔。本展では、再生医療分野のリサーチを行うなかで、発生学で研究される胚葉(胚の初期段階で形成される三つの細胞層)の身体の各組織や器官への分化・成長過程に着目した作家が、科学的知識の私たちの身体観やイメージへの影響について考察する、金属やガラスを用いた彫刻作品を発表する。 会場:大阪中之島美術館 会期:2024年12月21日~1月19日
ISSEY MIYAKE「On Kamiko ー紙衣によせてー」(ISSEY MIYAKE SEMBA | CREATION SPACE)
ISSEY MIYAKEの服づくりに新たな表現をもたらしてきた和紙。「The Beauty of Paper」をテーマに掲げるISSEY MIYAKE 2025年春夏コレクションの起点は、和紙を⽤いた「紙⾐」を仕⽴てることだった。⿇の繊維から作られる⿇紙を素材とした紙⾐は、千年以上続く和紙の歴史と、その伝統的な製法への敬意から生まれた。本展ではコレクションで発表した紙⾐を中⼼に、その制作過程を追った映像を上映。さらにインスピレーション源となった、広島・尾道の宿泊施設LOGを舞台に撮影した2025年春夏のシーズンヴィジュアルも展示される。 会場:ISSEY MIYAKE SEMBA | CREATION SPACE 会期:1月6日~1月26日