住宅ローンが残り「2000万円」なら、今後の金利上昇などを踏まえて「固定金利」に変更したほうがいい? 上昇した際の対策についても解説
長らく住宅ローンは低金利で推移してきましたが近年、固定金利が徐々に上昇しつつあります。金利が上昇しているときは、一般的に固定金利から先に上がるといわれているため、現在の状況を受けて変動金利で住宅ローンを組んでいる人のなかには、今後の金利上昇対策として固定金利に変更したほうがよいのかと不安に感じる人もいるかもしれません。 本記事では、金利が上昇した際の対策について解説します。固定金利への変更は返済総額に大きく影響を与える可能性があるため、慎重に検討する必要があります。ぜひ最後までご覧ください。
焦って固定金利に変更しないこと
長期金利の上昇により、金融機関は住宅ローンの固定金利を引き上げ始めています。しかし、「今後は変動金利も上昇してしまうのでは」と心配になり、焦って固定金利に切り替えることはおすすめできません。 現状は固定金利よりも変動金利のほうが金利は低く設定されており、毎月の返済負担は変動金利のほうが有利です。次の条件で変動金利と固定金利の返済負担を比較してみましょう。 ●住宅ローン残高:2000万円 ●返済期間:30年 ●固定金利:3% ●変動金利:1% 固定金利が3%の場合では、毎月の返済負担は8万5000円となります。一方の変動金利が1%の場合は6万5000円です。このケースでは金利が2ポイント違えば、固定金利が変動金利よりも毎月の返済負担は2万円程度も少ないことが分かります。安易に固定金利に変更せず慎重に判断する必要があるでしょう。
金利上昇への対策
では、今後変動金利が上昇していき、将来的に固定金利よりも高くなってしまうと予想した場合にはどのような対策をとればよいか解説します。 ■固定金利への変更を検討する 例えば、現在の変動金利が1%、固定金利が3%として、将来的に変動金利が3%を超えると予想した場合は固定金利に変更しておくのも選択肢の1つでしょう。固定金利にしておけば、金利が大幅に上昇した場合でも毎月の返済負担は変わりません。また、返済負担も安定して将来の返済計画が立てやすくなるでしょう。 ただし一度固定金利に変更してしまうと、もともとの変動金利に戻すことはできません。もう一度変動金利に変更したい場合は、別の金融機関で借り換えをする必要があります。借り換えをする際には、保証料などで数十万円以上の費用が発生する可能性があります。 ■繰上げ返済を検討する もし、まとまった資金がある場合は、金利が上昇したタイミングで繰上げ返済することも有効です。金利が上昇すると支払利息が増えてしまい、最終的な返済総額が大きくなる可能性があります。繰上げ返済でローン元本を減らすことができ、結果的に利息の総額を減らすこともできます。 ただし、繰上げ返済して返済期間が10年以下になってしまうと、住宅ローン控除の対象外となり、節税メリットが得られなくなってしまう点には注意が必要です。また、繰上げ返済の際に、手元資金をじゅうぶんに確保しておくことも重要です。手持ち資金が不足していると、けがや病気などの緊急時に対応できなくなってしまいます。 ■普段から貯蓄をしておく 普段から貯蓄の習慣を身につけておくことも重要です。金利上昇はどのタイミングで起こるか分かりません。そのため、いつ金利が上昇しても対応できるよう貯蓄をしておき、万一に備えておくとよいでしょう。 貯蓄が苦手な人は、先取り貯蓄などのような自動的に貯蓄ができる仕組みを作り、ストレスを極力感じないで取り組める方法をとることをおすすめします。もし、家計の見直しをしたい場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみてもよいでしょう。