広島・栗林 宝刀フォークに場内大拍手 シート打撃2人から空振り フォーム改造奏功「ワンバンしても振ってくれた」
「広島春季キャンプ」(20日、沖縄) 広島・栗林良吏投手(27)が20日、今春キャンプで初めてシート打撃に登板し、武器であるフォークボールの復調に手応えを示した。石原、中村健からフォークで空振りを奪い、順調な調整ぶりをアピール。1月の自主トレで行ったフォームの改良が功を奏していると明かした。“伝家の宝刀”を再び磨き上げ、今季日本人最速の100セーブ達成を目指す。 【写真】栗林 宝刀フォークに場内大拍手 フォーム改造奏功 栗林が投じた“伝家の宝刀”にバットは空を切った。落差、キレともに申し分なし。今季初の実戦形式での登板を振り返り、「昨季苦しんだフォークがあれだけワンバウンドしても振ってくれた。低めにも集まっていましたし、良かったかなと思います」と小さくうなずいた。 床田や森下、新外国人・ハッチなど実力者が力投を見せる中、大トリとしてマウンドに上がった。先頭の二俣は右飛。田中に直球を左前に運ばれるも安打はこの1本のみだった。続く矢野は初球で右飛に打ち取る。4人目に対戦した石原への2球目。ワンバウンドしたフォークにバットは止まらなかった。その後、カーブで空振り三振に取ると、続く中村健への初球にもフォークを投じ空振りを奪った。2球目の直球で中飛に打ち取ると、場内からは大きな拍手が起こった。 栗林にとってフォークは最大の武器であり、自身の調子を測るバロメーターでもある。「昨年はフォークが良くなかったからこそあの数字が出ていると思う」。昨季は開幕直後から打ち込まれ3、4月だけで4敗を喫し、2軍での調整を余儀なくされた。夏場以降は復調し、自己最多となる55試合に登板するも、セーブ数は入団後最少となる18にとどまった。「フォークが落ちていれば失点を防げた部分もある」と反省を口にする。 投球の生命線とも言えるフォークを復活させるべく、1月に行った古巣・トヨタ自動車での自主トレではフォームの改造に着手した。「沈み込んで投げる感じじゃなくて、つん立ちというか。地面に足が着いた瞬間に投げる」とイメージを説明。その結果「上からたたけるようになった。今は腕を振ることを意識するだけで勝手に低めにいっている」と手応えを感じている。 菊地原投手コーチは「フォークが良かったらカーブも生きてくる」と宝刀の復調が投球全体のレベルアップにもつながっていくと説明。栗林も「フォークが決まれば他の球種も勝手に良くなる」と意見は一致している。 今季は完全復活はもちろんのこと、あと14に迫る日本人最速の通算100セーブ達成も視野に入れている。「フォークをもう一度勝負球として使えるようになれれば」。自らの武器を再び磨き上げ、絶対的守護神の返り咲きへ、歩みを進める。