【単独インタビュー】ロシア人反政府武装組織幹部「ロシア解放はロシア人の仕事」 新政府の樹立めざすロシアの「影の議会」には“匿名”現役議員も…
■「ロシア自由軍団」と「ロシア義勇軍団」
ポノマリョフ氏の説明によると、「ロシア自由軍団」は、2022年2月の侵攻開始直後にウクライナ側に寝返ったロシア軍人のグループにより翌3月に結成されたという。反体制派によるロシア領内への新たな政府の樹立、そして最終的なプーチン政権打倒を目指す運動の軍事部門として、まずはロシア領内に恒久的な支配地域を得ることを目標としている。
また、ともに越境攻撃を行う「ロシア義勇軍団」は右翼団体のメンバーが主体で、政治的主張は異なるものの、「プーチン政権打倒」で一致しているという。 ──越境攻撃の目的は? ポノマリョフ氏 「目的はロシア南部を解放し、維持することです。最初の作戦は3日間行われ、第二作戦は10日間でした。しかし(恒久的な支配地域獲得には)我々の規模の拡大が必要です。我々はそこまで大規模ではありません。『ロシア自由軍団』は4個大隊、『ロシア義勇軍団』は1個大隊なので、あわせて5個大隊規模でしかありません」 「解放された地域に(反体制派を象徴する)『白・青・白の旗』を掲げた政府を樹立させること、そして我々の成功を見て参加する人々を増やすことも目標です。また、ロシアの軍事力をウクライナの戦線から引きはがしているという点で、ウクライナへの支援にもなっています」
■ウクライナ軍に所属も越境攻撃は「独自に行動」
ウクライナ軍の外国人部隊に所属し、ウクライナ国内でも戦闘を行っているというが、ロシアへの越境攻撃についてはウクライナ軍の命令や関与はないとしている。 ポノマリョフ氏 「ウクライナ軍はロシア領内で戦わないという西側諸国との国際的な取り決めがあります。そのため我々がロシア領内で活動する際には、(ウクライナ軍に)休暇を申請するのです。休暇が認められればロシアに行って活動する。こうした条件・状況の下では我々は自活していますが、ウクライナ国内においてはウクライナ軍の一部隊です」
■西側兵器使用も「問題ないと確認」
──「ロシア自由軍団」が使用する装備はウクライナ軍から提供されたもの? ポノマリョフ氏 「装備にはウクライナ軍から公式に支給されたものもありますし、戦場で入手したもの(鹵獲兵器)もあります。通常の歩兵の装備でいえば、ライフル銃は西側のものもあればロシア製のものもあり、ウクライナ製のものもあります。しかし大型の兵器はほとんどがロシア製のものを使っています。これまでの作戦で複数の戦車などを鹵獲しています」 西側諸国からウクライナへ提供された兵器は「ロシア領内への攻撃に使わない」との合意があるとされるが、ポノマリョフ氏は高機動ロケット砲システム「HIMARS」などの長距離兵器を除けば、「使用に問題はないと確認した」と主張した。 ポノマリョフ氏 「我々は西側諸国に様々な問い合わせをし、アメリカ、イギリス、ドイツからは我々が使用する装備について問題ないとの確認を得ています。合意への違反はありません」