バンコクのカルチャーを語る上での最重要スポット、「ザ・ジャム・ファクトリー」とは?
ザ・ジャム・ファクトリー ギャラリー、ブックカフェ、レストランが融合したクリエイティブスペース 熱帯植物に守られるようにして立つ「ザ・ジャム・ファクトリー」。ブンナグの建築スタジオの隣には、1600㎡の敷地にカフェと書店、アートギャラリー、レストランの棟がそれぞれある。もとは荒れ果てた倉庫であったが、建物が本来もつポテンシャルを活かすべく、建築スタジオ同様に躯体を活かしてリノベーションした。 「既存の構造体に大きな可能性を見出したので、それらを活かすリノベーションを考えました」 ブンナグの言うように、剥き出しの梁やシルバーに塗装された屋根板などはインダストリアルでクールな印象がありながらも、大きなガラス窓の外からは中庭にあるバニヤンツリーの緑が目に飛び込み、周囲の自然とも調和した有機的な空間になっている。 現在も続くバンコクのリノベーションブームの原点ともいえるこの地には、多くの建築家やクリエイターたちが視察に訪れ、彼らにインスピレーションを与え続けてきた。「新しい思考を刺激することがクリエイティブスペースの目的だと考えます」とブンナグ。バンコクのカルチャーを牽引してきた「ザ・ジャム・ファクトリー」は、いまも目が離せない存在だ。
写真:松井聡美 編集&文:渡邊卓郎