応募は求人サイトから ずらりと並んだPCと大人用おむつが印象的 介護事業所の面接でわかったこと
身体介護より生活援助のほうが多いS事業所
次に面接を受けたのは、S事業所でした。 こちらも、首都圏で展開している事業所で、同系列に訪問介護の事業所が4カ所、デイサービスも9カ所あるとのことでした。 この事業所の利用者さんは40~50人、ヘルパーさん10人弱。先のT事業所の、3分の1ほどの規模感でしょうか。これくらいが、地元密着の事業所としては平均的なのかもしれません。 利用者さんは、T事業所と同様に、認知症の方が多いそうです。ただ、身体介護より生活援助のほうが多いとのこと。要介護度が低めなのでしょうか。事業所によって傾向が違うのですね。実際に聞いてみないとわからないことです。 S事業所でも、職員さんから「いつから来ていただけますか」と言われました。早々にシフト表を取り出そうとするのを、慌てて止め、他に面接を受けている事業所があることをお伝えしました。 T事業所もそうでしたが、面接→即採用という流れになっている様子。いかにヘルパー人材が不足しているかを、早速、実感しました。
小規模ながら障害福祉サービスも請け負うK事業所
最後に面接を受けたK事業所は、S事業所と同じくらいの規模で、利用者さんは約40人ほど、登録ヘルパーさんは8人ほどでした。ただ、展開する事業所は他に1つだけで、デイサービスなどの多角経営もしていません。訪問介護オンリー、“地元で長くやっています”という雰囲気。 利用者さんの特性は、先の2カ所とは違い、認知症の方はむしろ少ないとのこと。脳梗塞(こうそく)による麻痺(まひ)など、体に不自由のある方が多いそうです。 なぜ、同じ地域なのに、事業所によって違いが出るのでしょう。なんとなく得意・不得意のすみ分けができて、それに沿ってケアマネさんが「この利用者さんは、この事業所がいい」と割り当てているのか…。 S事業所で特徴的だったのは、高齢者介護だけでなく、障害者福祉サービスも請け負っていたことです。精神障害者の方の生活援助などにも、何軒か入っているそうです。T事業所やS事業所は高齢者専門でした。こうした主な利用者像もまた、事業所によって異なる点のようです。 初めて足を踏み入れた、リアルな介護の仕事場。知らないこと、勉強になる話ばかりでした。
水沼三佳子