オリオールズ・菅野智之「メジャー定着」の絶対条件 MLB関係者がシビアな実情を明かす
海外FA権を行使し、オリオールズへ移籍した菅野智之投手(35)に関し、MLB関係者が「メジャー定着」の絶対条件を掲げている。16日(日本時間17日)にオリオールズ側と1300万ドル(約20億円)の単年契約を交わした日本屈指のベテラン右腕。もちろん理想に描くシナリオは2026年シーズン以降も極力長く、MLBでプレーし続けることにほかならない。そのストーリーラインを実現させるためには、一体何が求められることになるのか。 来季はオリオールズ先発陣の一角に加わり、自身の成績において高い数値を残す。この点が基本的に菅野の契約延長の大前提になるのは、至極当然の流れと言える。だが、35歳のオールドルーキーであるがゆえの〝別視点〟で判断される可能性も高いという。それは年間を通じ、故障なくシーズンを完走できるか否かだ。 ちなみに菅野がオリオールズに限らずMLBでの26年シーズンのオファーをもらえるか否かは、このファクターが大きく関わってくるという。MLB関係者は「制球が素晴らしく、スライダー、フォークなど複数のレベルの高い変化球もあって間違いなくいい投手。MLBでも、勝てる実力は十分にある」と太鼓判を押す。 その一方で「期待通りのパフォーマンスを見せ、今年のNPBでのような成績(15勝3敗、防御率1・67)を出せば、シーズン中にオリオールズのほうから『新たな契約を』と、26年以降のオファーが届くはずだろう。しかしながら菅野については、ちょっと分からない」とやや首をかしげ、最後まで気の抜けない1年になるという。 前出の関係者は仮に球団側が「再契約を望んだ場合」として、26年は36歳として迎える年齢的な側面や「ヒジや肩の手術歴や体の故障歴などが大きく関わってくる」と指摘。球団側はNPB時代の手術歴の有無や持病などをはじめとした体の故障歴はメディカルチェックを通じ、詳細に把握している。再契約については、この部分が密接に関係してくるためだ。 「例えば、夏場まで規定投球回を投げた20代後半の投手が単年契約であれば2、3年後までのオファーをすぐ出すことになるだろう。30代を超えた投手となると、われわれ球団側は『オファー後の終盤に、もしケガしたら…』というリスクに基づいた判断を優先する。そこは日本よりもシビア」(前出関係者)と説明した。それゆえに、すでに30代後半の菅野には成績と並行し、日本よりも先発登板間隔がはるかに短いMLBのマウンドで「1年間、故障なしで投げ続ける体力」を披露する必要があるというわけだ。 もちろん、長く巨人のエースとしてNPB通算136勝を挙げた右腕も、そこは「当然」の覚悟を決めている。だからこそ満を持して海を渡ったことだろう。米国1年目から先発でのフル回転は〝マスト項目〟となりそうだ。
赤坂高志