個人情報5ドルで売買、「闇サイト」驚きの実態 サイバー犯罪のインフラにもなるネットワーク
「ダークウェブ」という言葉を聞いたことはあるだろうか。インターネットの世界には、GoogleやBingなど検索エンジンの結果をたどってアクセスできる部分と、そうでない部分がある。つまり、一般的なパソコン、スマートフォン、ブラウザではアクセスできないサイトやコミュニティが存在するのだ。 【図を見る】一目でわかる「ダークウェブ」「ディープウェブ」「サーフェスウェブ」の違い 当然、そのような裏社会のネットワークでは、犯罪やサイバー攻撃に関する情報がやり取りされていることもある。実際、サイバー犯罪者や犯罪組織のインフラとして機能している事実もあるが、もちろん合法的な情報のやり取りもされている。複雑な国際情勢において、裏だから悪と、単純に表裏・善悪に分類できないとも言えるだろう。
ダークウェブの情報は、サイバーセキュリティに役立つために、専門家が情報収集に使うことも多いが、個人はもちろん企業でも決して安易にアクセスすべきではない。その点をしっかり確認したところで、どんな世界なのか解説していきたい。 ■サーフェスウェブ、ディープウェブ、ダークウェブとは いわゆるアンダーグラウンドの世界だが、技術的な分類はもう少し複雑だ。 ウェブの世界では「検索されなければ、それは世の中に存在しないと同義だ」という言説がある。人に認知、アクセスしてもらうという視点ではそのとおりだが、ウェブ全体でみれば、検索でたどり着ける範囲は極めて小さいとされる。ただインターネットの利用は、検索エンジンだけに頼るものではない。
例えば、企業や学校のネットワーク、業務システムなどのウェブサイトは、社員や生徒しかアクセスできず、その内容はインターネットの検索からも遮断されているのが普通だ。 SNSの多くも、メンバーの投稿内容を検索エンジンには公開していないし、スマホアプリのサイトやシステムも、通常PCやブラウザからアクセスできない。最近では、AI(人工知能)によるインターネットからの学習を制限する動きもある。 Google、Bing、ヤフーなどの検索エンジンでアクセス可能な部分は「サーフェスウェブ」、これらではたどり着けない部分を「ディープウェブ」。そして、ディープウェブのうち、さらにアクセスが制限されていたり匿名性が高い仕組みで運営されているサイト群を「ダークウェブ」という。