『ウォレスとグルミット』クレイについた指紋が愛情の証 悪役復活の新作を監督が語る!
長年の間に、モデルの素材の一部がシリコンになったり、撮影機材がデジタルスチールカメラになったりといった技術の進歩はあったものの、クロシンガムは「ストップモーションの核となる技術は、まったく変わっていません」と語る。今も小さなモデルを少しずつ手で動かしてコマ撮りするので、非常に手間暇がかかり、今作を作るのには約4年かかったそうだ。
パークは、「キャラクターたちについた指紋を見るのが大好きなんです。映画のすべてのフレームに、非常に熟練したアーティストたちがいることを教えてくれるからです。観客に1コマ1コマに込められた愛情を感じてほしいです」とほほ笑んだ。
『ウォレスとグルミット』の一番の見どころは、手作りならではの温かみある主人公ウォレスとグルミットの魅力とユーモアにあるが、今回もさまざまなジョークに大いに笑わされる。 「時間をかけてジョークに磨きをかけ、どうすればもっと良くなるか試行錯誤し続けました。世界中の人がわかるユーモアにしたかったんです」と、パークは明かす。『ケープ・フィアー』、エイリアン・フォースに取り憑かれた子供たちを描いた1960年代の映画『未知空間の恐怖/光る眼』、ヒッチコック監督の『レベッカ』などさまざまな映画へのオマージュもあり楽しい。壮大なアクションシーンも見もので、映画批評サイト Rotten Tomatoes でレビュアーから100%と最高の評価を得ている(2024年12月時点)。 最後に、日本のアニメーションで好きな作品を尋ねると、パークは「『千と千尋の神隠し』が素晴らしかったです。『もののけ姫』も素晴らしく、とても影響力のある感動的な映画でした。宮崎さんの作品が大好きなんです」と回答。クロシンガムも「『紅の豚』が私の好きなアニメ映画です」と、2人そろって宮崎駿監督のアニメを挙げていた。(吉川優子 ・Yuko Yoshikawa)
映画『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』はNetflix独占配信