山里彩る柿のカーテン じっくりと甘味を蓄え 佐賀市大和町松梅地区
冬を迎えた山里で鮮やかな柿のカーテンがひときわ目を引く。天山と脊振山の谷間に位置する佐賀市大和町松梅地区では、昼夜の寒暖差を生かした干し柿作りが伝統。小屋やビニールハウスに実がつるされ、日差しを浴びて輝く。 上野公野さん(75)方では11月中旬から収穫や皮むき、ひもを通す作業に追われた。干し柿作りの名人として知られた夫の耕太郎さんが8月に他界。地区内の生産者も減ってきているが、「体が動く限り続けていきたい」と公野さん。夫が残した日誌をめくりながら作業に当たる。 干し柿になるまで1カ月程度で、じっくりと甘味を蓄える。今年は猛暑の影響で柿の収穫量は少なかったものの、ここまで順調な仕上がり具合。今月中旬から来年1月にかけて九州一円に出荷される。(写真と文・米倉義房)
米倉義房