りんご病が過去最大の流行 埼玉が全国最多…1医療機関当たり報告数 免疫持たない世代が増加 妊婦への影響に注意【感染情報】
ほおなどに赤い発疹ができる「りんご病(伝染性紅斑)」が、過去10年で最大の流行となっている。 【地図とグラフ】埼玉県での今年の急増の推移。地域別では県南部で目立つ
国立感染症研究所によると、今月15日までの1週間に報告された1医療機関当たりの新規患者報告数は、全国平均0・94人で前年同時期の0・01人の94倍。過去10年で最多となっている。 1医療機関当たりの患者数が1・0人を超えているのは8都県で関東と東北に集中。中でも、埼玉県は同3・77人と全国で最も多く、青森県の3・03人、東京都の2・84人と続く。 埼玉県感染症情報センターによると、県内保健所管内別の1医療機関当たり患者数は、南部保健所(蕨市・戸田市)が11・0人で最も多く、川口市保健所の6・0人、川越市保健所の5・5人、鴻巣保健所の4・83人、さいたま市保健所の4・50人と続く。 同センターは「りんご病は近年流行しておらず、免疫を持たない世代が増えて感染しやすくなっているのではないか」としている。 りんご病は幼児や学童がかかりやすく、両ほおや腕、足に赤い発疹ができ、風邪の症状を伴うことが多い。ほとんどが自然に回復するが、まれに関節炎、脳症、溶血性貧血などの合併症を引き起こすことがある。また、妊娠中に感染すると流死産、胎児水腫などの原因となることがあるという。
潜伏期は10~20日。主な感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。アルコールによる消毒効果は弱いとされることから、同センターは、マスクの着用などの咳エチケットや手洗いを呼びかけている。 =埼玉新聞WEB版=