火星のような異様な光景 アテネにサハラ砂漠の砂塵
アテネ、ギリシャ、4月24日 (AP) ― 北アフリカから地中海を渡って吹き付ける砂埃が、アクロポリスをはじめとする遺跡を覆い、ギリシャ南部の空は4月23日、オレンジ色に染まった。 強い南風に乗って運ばれてきたサハラ砂漠の砂塵が、夕暮れ時の首都アテネの風景をあたかも火星のような色に変えてしまった。 24日には気温も下がり、風向きが変わって砂塵も移動するため、空は晴れると見込まれている。 クレタ島南部の23日の最高気温は、ギリシャ北部の広い範囲に比べ20度以上も高い30度を超えた。 ここ数日の強い南風の影響で、ギリシャ南部では例年より早く山火事が発生した。ギリシャ全土では過去24時間に、25件の山火事が発生したと消防当局が発表した。 エーゲ海のパロス島では22日、誤って野火を発生させた疑いで3人が逮捕された。火は消し止められ、けが人などはいなかった。 クレタ島の海軍基地付近で23日に発生した野火も消し止められた。 ギリシャでは毎年夏、大規模な山火事が発生しており、昨年はこの20年で欧州連合最大の山火事を記録した。 長引く干ばつと春先の高気温が相まって、今後数カ月は消防にとって特に厳しい時期になると懸念が高まっている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)