「彼らの前で良い結果を出せれば」角田裕毅、被災した地元の人々やファクトリーのスタッフに思いを寄せながら「自宅から通える」ホームレースに意気込み!
F1第7戦のエミリア・ロマーニャ・グランプリが今週末に開催される。昨季もスケジュールに含まれていたものの、この地域を襲った甚大な水害によって中止となっていた。 【画像】1年前、洪水被害に遭ったファエンツァで清掃を手伝う角田 ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅にとっては、チームにとってのホームレースというだけでなく、自身もイモラから近いチームの本拠地ファエンツァ在住ということで、特別なグランプリである。また昨年の水害の後には、自身も街の清掃作業に従事する姿が報じられるなど、この地域に思いを寄せており、それがチームから発表されたプレスリリースでも、内容の多くを占めている。 「洪水は大きな影響を与え、どこにでも泥が溢れ、全てを失った人々がいます。家も中身も、持ち物や思い出、写真を失った人々も。エミリア・ロマーニャの地域全体が、このような状態からすぐに立ち直り、人々が一緒に作業し、少なくとも道路を清掃したというのは、とても信じられないことです。お互いを助け合っているのを見るのは感動的でした」 「被害を受けなかった人たちも、シャベルやバスケットを持って街を歩き回り、知らない人々の助けに応えていました。僕の家も被害はありませんでしたが、他の人たちが動いているのをただ見ているわけにはいかなかったので、シャベルを手に取り、大きな影響を受けた街の中心部に行き、通りを掃除しました。この洪水とともに、街がより力強く立ち直ったことは永遠に記憶されるでしょう。ここは、僕が思っていたよりもずっと早く回復し、今は前を見ています」
このような優しいメッセージとともに、F1ドライバーとしての彼は、「次はイモラです! とても興奮しています。これまでにかなり走り込んだコースのひとつであり、僕にとっては2つ目のホームレースです。残念ながら、昨年は洪水のため、ここでレースをすることはできなかったので、今回、エミリア・ロマーニャのファンたちが声援を送ってくれるのを、とても楽しみにしています」と、勝手知ったるサーキットでのグランプリへの待望を示した。 「イモラは僕の家から15キロの位置にあり、普段ファエンツァにいる時と全く同じルーティンで過ごせるから不思議です。朝食をとりますが、自分でヨーグルトやフルーツ、そしてコーヒーマシンでカプチーノを淹れて朝食をとり、わずか20分でコースに着いて、レーシングスーツに着替え、車に乗り込むことができます。そして夕方には家に帰り、普通の夕食をとります」と、他の週末とは全く異なるものであることを強調する角田は、コースについては以下のように印象を明かしている。 「コース自体は、とても気に入っています。非常にテクニカルで、中高速のコーナーや高速のシケインが多く、少し鈴鹿のようですが、やや狭いです。ドライブするのはいつも楽しく、たくさんの良い思い出もあります。このコースに戻ること、とりわけ普段、僕に速い車を与えるためにファクトリーで一生懸命に働いてくれているスタッフたちで埋め尽くされたVCARBグランドスタンドを見るのが楽しみです。彼らの前で、良い結果を出せることを願っています!」 イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「角田はこれまで、比較的新しい車を使ったものも含め、イモラでは幾度もテストを行なってきた。イタリア籍チームにとってのホームグランプリで、彼は早くもコースに降り立つのを楽しみにしている」と伝えたが、2年前には難しいコンディションの中で素晴らしいレースを展開し、7位フィニッシュを飾ったこの地元レースで、F1キャリアにおいて最も評価を高めていると思われる現在の角田が、どのようなパフォーマンスを発揮し、結果を出せるかが非常に興味深い。 構成●THE DIGEST編集部
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