【MLB】時代委員会による殿堂入り候補者が発表 ディック・アレン、トミー・ジョン、ルイス・ティアントなど8名
日本時間11月5日、アメリカ野球殿堂は時代委員会による殿堂入り投票の候補者8名を発表した。今回は「Classic Baseball Era」として1980年以前に活躍した選手たちが対象となっており、ディック・アレン、ケン・ボイヤー、ジョン・ドナルドソン、スティーブ・ガービー、デーブ・パーカー、ビック・ハリス、トミー・ジョン、ルイス・ティアントの8名が候補に。選考委員会による投票で得票率75%以上を獲得すれば殿堂入りとなり、投票結果は日本時間12月9日午前9時半から「MLBネットワーク」にて発表される予定だ。 2024年ポストシーズンの日程・結果一覧 アレンは通算OPS.912を誇り、ホワイトソックス時代の1972年には本塁打と打点の二冠を獲得してMVPを受賞している強打者。フィリーズ時代の背番号「15」は永久欠番となっている。これまでに何度も殿堂入りの有力候補となったが、殿堂入りを果たせないまま2020年12月に78歳で死去。今度こそ殿堂入りなるか注目される。 ボイヤーは5度のゴールドグラブ賞を受賞した名三塁手。メジャー通算2143安打、282本塁打、1141打点の実績を誇り、オールスター・ゲームにも11度選出されている。現役時代は主にカージナルスで活躍し、1964年にはワールドシリーズ制覇も経験。この年は自己最多の119打点で打点王のタイトルを獲得し、MVPにも選ばれた。1982年9月に51歳の若さで亡くなっている。 ドナルドソンはニグロリーグで活躍した外野手兼投手。少なくとも25球団でプレーしたと言われており、正確な数字は不明だが、通算413勝、5091奪三振、ノーヒッター14度、完全試合2度を記録したという伝説を残している。1970年4月に79歳で死去した。 ガービーはドジャースとパドレスでプレーし、オールスター・ゲームに10度選ばれた人気者の一塁手。メジャー通算2599安打、272本塁打、1308打点を記録しただけでなく、ゴールドグラブ賞を4度受賞したように、攻守を兼備した一塁手だった。1974年には打率.312、21本塁打、111打点の好成績でMVPを受賞。1981年にワールドシリーズ制覇を経験したほか、1978年と1984年にはリーグ優勝決定シリーズでMVPに選ばれている。 パーカーはメジャー通算2712安打、339本塁打、1493打点を記録した名外野手。パイレーツ時代の1978年には2年連続の首位打者を達成し、MVPを受賞した。また、翌1979年のオールスター・ゲームでもMVPに選出。シルバースラッガー賞とゴールドグラブ賞を各3度、パイレーツ時代の1979年とアスレチックス時代の1989年にワールドシリーズ制覇を経験するなど、輝かしいキャリアを過ごした。 ハリスはニグロリーグの選手・監督として活躍した人物。選手としては通算打率が3割を超えており、監督としてはホームステッド・グレイズを7度の優勝に導いた。また、1948年にはニグロリーグ・ワールドシリーズでの優勝も経験している。1978年2月に72歳で死去した。 「トミー・ジョン手術」の生みの親として知られるジョンは、メジャーで通算26シーズンにわたってプレーし、288勝を挙げたサウスポー。これは歴代26位の大記録であり、ジョンより通算勝利が多い25人中23人が殿堂入りを果たしている(ほかの2人はロジャー・クレメンスとボビー・マシューズ)。手術で1975年シーズンを全休したあと、46歳になるまで12年間も現役を続けた鉄腕だった。 ティアントは独特な投法で知られた名投手。今年10月に83歳で死去したばかりだが、19年間のメジャー生活で通算229勝を積み上げた。1968年に防御率1.60、1972年にも防御率1.91をマークし、ともにタイトルを獲得。サイ・ヤング賞とは縁がなかったものの、シーズン20勝も4度記録し、41歳になった1982年まで現役を続けた。 誰が殿堂入りしてもおかしくない豪華なメンバーが揃ったが、このなかから得票率75%以上を獲得して殿堂入りを果たす者は現れるだろうか。