【イベントレポート】役所広司「PERFECT DAYS」約1年のロングラン上映に感慨「お客さんは神様だな」
映画「PERFECT DAYS」の最終上映舞台挨拶が本日12月26日に東京・TOHOシネマズ シャンテで行われ、主演の役所広司、企画・プロデュースを手がけた柳井康治、共同脚本とプロデュースを担当した高崎卓馬が登壇した。 【動画】ヴィム・ヴェンダースのコメント映像はこちら ヴィム・ヴェンダースが監督を務めた本作では、東京・渋谷でトイレ清掃員として働く男・平山の日々が描かれる。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で平山役の役所が最優秀男優賞を獲得したほか、第96回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされ、これまでに約90の国と地域で上映されてきた。 2023年12月22日に封切られた本作は、およそ1年にわたるロングランを経てこのたび上映を終える。国内の興行収入は13億円を記録。ヴェンダース作品としては「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」を抜く世界興行成績を収めた。この日、会場には初めて鑑賞した観客や中国から訪れて10回鑑賞した役所のファンがおり、さらには「30回以上観た!」という声もあった。 役所は「この映画を観てくださって本当にありがとうございます。1年のロングラン上映は僕自身初めて。企画ができたときに柳井さんが『平山さんに世界中の人が会いに来てくれるような映画になるといいですね』とおっしゃっていた。その言葉から僕の役作りが始まったんです」と感慨深い様子で歓声に応える。また「配信もされているのにこうして劇場に来てくださって。そう思うとお客さんは本当に神様だな」と来場者に感謝を伝えた。 柳井は「このプロジェクトが始まった頃に役所さんから『トイレには神様がいるらしいから、きっとうまくいきますよ』とメールをいただいた。それが心強くて。それから公開を迎え、自分が思っていた以上の反響をいただけた。この場に立たせていただけていることが本当にありがたい」と喜びをあらわに。自身が本編の後半に登場することも明かした。高崎は「極めて日本っぽい映画でカンヌをはじめ世界を一緒に旅することができて、今ようやく港に帰って来れた気がします。『ラブ・アクチュアリー』のように、年に1回はシャンテさんやってくれないかな(笑)」と期待を込める。 イベントではヴェンダースのコメント映像がスクリーンにかけられた。ヴェンダースは「『PERFECT DAYS』を撮影し始めてから今に至るまで、すべての時間が最高の贈り物です。その体験を皆さんと分かち合えてとてもうれしいです」と述懐。なお同映像はYouTubeで公開中だ。最後に役所は「この映画は“トイレ”というものを切り口に始めた物語。次に使う人のために、ちょっと一拭ききれいにしようかという気持ちになると思います。日本人の美しい心のアピールになるのでは。僕も公衆トイレをきれいに使うと、改めて誓います」とメッセージを送り、イベントは幕を下ろした。 「PERFECT DAYS」はPrime Video(プライムビデオ)、U-NEXT(ユーネクスト)ほかで配信中。 (c) 2023 MASTER MIND Ltd.