抜けない疲労感…痛感したオフの大切さ。満身創痍の大失敗を経て「誰が出てきても勝てるコンディション」で学生ラストステージへ【関西の若虎・本多虎之介#4】
学生屈指のボディビルダーとして注目を集める大阪学院大学4年・本多虎之介の、これまでの歩みを追ってきたこのインタビュー。最終回となる今回は、昨年の大会と、今年の大会に向けた意気込みを語ってもらった。 【腕&背中トレーニング動画】本多はいかにしてその屈強な上半身をつくっているのか?
一生むくみがとれない、最悪のコンディション
――昨年の全日本学生ボディビル選手権は5位。2回生時の3位から、優勝候補の一角と期待されながら順位を落とす結果になりました。昨年の取り組みを振り返っていただけますか。 「 1回生、2回生と結果は良くなっていきましたが、そこで油断があったわけでもなく、気を抜いているつもりもありませんでした。ただ逆に、自分の中でも気合いが入りすぎてしまったのかなと思います。というのは、それまで増量期も減量期もオフ期間をけっこう多めにとっていたのですが、2回生の大会後はまったくオフをつくらないようになってしまったんです。ひたすらトレーニングをして、もっとデカなりたいっていう気持ちが強くなってしまって」 ――やりたいという気持ちが良くない方向に働いてしまった。 「はい。結局、減量期に入っても増量期と変わらないルーティーンのままで進めてしまって。数値として体重は減っているけど、コンディションは一向に良くならない。サイズ的にはデカなってる感覚はあったんですけど、減量末期はカロリーを削りすぎてふらふらで、一生むくんでいるような状態。結局、絞りも甘いままステージに立っていました」
――ただひたすらにやればいい、というわけではないのを実感したわけですね。 「2回生のときの大会後に審査員の方から『上半身はデカいけど、下半身がそのサイズに追いついていない』というフィードバックをいただいたことで、『よし、下半身を追い込んでやろう』という思考になってしまったのは原因の一つでした。脚のトレーニングの頻度をかなり増やしたので、身体の疲労はずっと溜まったままだし、それが解消されずコンディションが上がらないことにストレスも感じて精神的にもモヤモヤとしたまま、大会の日を迎えてしまったので。焦りすぎて、負のルーティーンに入っていましたね」 ――ただ、この年で失敗を経験できたのは今後に生かしていけるのでは? 「そうですね。去年は苦い思い出が多かったですけど、学びになった部分もあります。去年も周りに相談して、『オフを入れや』とアドバイスをもらっていたんですけど、やっぱり不安になってしまい、なんか余計悪化しそうな気がしてしまって。これまでも我流でやってきたから、結局、それを実践できんかった。去年の大会後に『オフをとってないでしょ』って審査員の方にも見抜かれてしまい、まさに図星でしたね。だから今シーズンは、脚トレの頻度を減らして、週2はオフをとるようにしながら取り組んでいるところです」 ――いま現在(3月初旬)、手応えはいかがですか。 「去年までとはやり方を変えて、トレーニングのサイクルをあまり固定せずに、その日の身体の疲労具合などを見ながら、『今日はこうしよう』という感じでやっています。それもあり、自分の中ではめっちゃ順調、充実している感じです」