明かりが醸し出す神秘の表情 ラップランドの森に訪れるあまりに早い日暮れ
日本に最も近いヨーロッパの国、フィンランド。“森と湖の国”と称される国とあって、国土の7割近くが森林、湖は約19万にものぼるといわれる。首都ヘルシンキから飛行機で1時間弱、クーサモに向かった。ロシア国境に接し、フィンランドの北部ラップランド地方の入り口だ。 そのクーサモから、北に20kmに位置するルカに向かった。 日本のかんじきのようなスノーシューを履いてルカを囲む丘陵を歩いてみた。北極圏のラップランドの晩秋は、午後3時になるとかなり薄暗い。尾根向こうのスキー場から漏れてくる明かりが、雪をまとってさまざまな形に変化した樹木を浮かび上がらせていた。 ちなみにフィンランドでは、6月から7月にかけて白夜のシーズンとなる。ここラップランド地方では、2ヶ月以上沈まない太陽を見ることができる。日が沈むから仕事を終える、と日没を行動の区切りとしていた我々には、なんとも不思議な感覚だ。フィンランドの人は、日の短い冬を長く過ごすため、その分、明るく長い夜を楽しく過ごす術をよく知っているそうだ。 (2015年10~11月撮影)