【山口県】中須ゴルフ場で救命のリレー 心肺停止の男性は社会復帰
山口県周南市中須南の中須ゴルフ倶楽部(川原いづみ支配人)で昨年12月9日、職員とゴルファーらが、プレー中に突然倒れた49歳の男性に決死の救命措置を施した。 男性は1番ホールからゴルフを楽しんでいたが、4番ホールで突然仰向けに倒れ、心肺停止状態に陥った。途切れ途切れにしゃっくりをするような死戦期呼吸に陥り、口元には微量の泡が浮かんでいたという。 倒れた男性を最初に介抱したのは一緒にコースを回っていた林利浩さん(49)と木村博明さん(51)。林さんが倒れた男性の気道を確保し、木村さんがカートに備え付けられた無線で救助を要請した。 その様子に気がついたのは次組のプレーヤーの原田一義さん(48)。フラットなコース形状で、遠方から男性を介抱する様子を発見し、駆け寄って心臓マッサージを施した。
要請を受けた川原支配人(58)とキャディマスターの福田一雄さん(49)はカートに乗り、9番ホールから逆走して現場に直行。AEDを使って救命を試みた。気が動転していた福田さんはAEDの予備パッドを使っていたそう。 男性はAEDと心臓マッサージによる措置で、救急車の到着前に意識を取り戻した。 程なく、同クラブの清光敦志さん(68)の誘導で、市消防本部北消防署北部出張所から出動した救急車が到着。市内の病院に搬送された男性は後遺症を患うことなく、現在は社会復帰している。 同クラブの20年を振り返ってAEDを使ったのは3回目。年に一度、救命活動に関する講習を開き、日々の積み重ねが迅速な救命に繋がったという。 福田さんは「1人の命が助かって、元の生活に戻ったことが喜ばしい。いざという時にAEDを使うと難しかったので定期的な動作確認は必要だと感じた」と当時を振り返る。 川原支配人は「来場されたお客様の様子を見て、体調が悪そうならスタートさせない勇気を持ちたい」と今後に備える。 今月19日には、原田さん、林さん、福田さんに市消防本部で山本亜希広消防長から感謝状が贈られた。