新たなダークヒーローが誕生する「EVOL(イーヴォー)」を観たリアルな声は?「マーベルやDCコミックみたいなワクワク」「まさかの現代社会を風刺する内容」
プチ超能力を得た3人の少年少女が世界に復讐する姿を描く「EVOL(イーヴォー)~しょぼ能力で、正義を滅ぼせ。~」(DMM TVにて独占配信中)。「月刊コミックビーム」で連載中のカネコアツシによる同名漫画を実写ドラマ化した本作は、“しょぼ能力”というユーモアを含んだタイトルに反し、バイオレンスな展開、ひとクセもふたクセもある個性豊かなキャラクター、理不尽な世界にもがきながらもぶつかる若者たちの姿など、濃厚な要素にハマる人がじわじわ増えている。 【写真を見る】確かに浮いてるけど…5cmだけ空を飛ぶ能力、その活用方法とは? MOVIE WALKER PRESSでは、原作の1巻分にあたる第2話までのオンライン試写会を実施。“しょぼ能力で”世界に立ち向かう、新たなダークヒーローの誕生を視聴者はどう観たのか?本稿では、本作の公式ハッシュタグや感想投稿キャンペーンに寄せられたコメントをピックアップし、視聴者のリアルな声を交えながら本作の魅力に迫っていく! ■結構リアルで過激!容赦ない描写は「最悪最低の現在社会を的確に表現してる」 まずは、第1話のあらすじから紹介しよう。舞台はスーパーヒーローが平和を守っている世界。“自殺に失敗したこと”をきっかけに、ノゾミ(青木柚)、アカリ(伊礼姫奈)、サクラ(服部樹咲)の3人は、本来は“正義のヒーロー”の血筋でしか持ち得ない「異能力」が芽生える。一命を取り留め病院で入院をしていた3人は、“世界に絶望している”点で意気投合し、施設からの脱走を企てる。 第1話では序盤から、正義のヒーローであるライトニングボルト(金子ノブアキ)と、その妹のサンダーガール(芋生悠)が、崩れる橋に巻き込まれバスが落下していくという絶体絶命の窮地を救いだすアクションシーンが展開される。この「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」のような日本的なヒーローではなく、アメコミの雰囲気が現れていることにまず惹かれた人は多く、「ヒーローたちを基にしたマンガの絵柄やバスが橋から落ちそうになる画がアメコミっぽくて(特に後者はスパイダーマンっぽい)冒頭で期待が高まりました」や「前情報なしで鑑賞したのですが、マーベルやDCコミックみたいなワクワクと、次の展開が気になるドキドキ感がありました。最初の部分はいい意味で日本の作品っぽくなくて、素晴らしかったです」といった感想が寄せられていた。 この場面を見て、原作未読の視聴者のほとんどは、「正義vs悪」の話であると思ってしまったようだが、物語はここから一気に社会性を孕んだ物語へと展開していく。ノゾミ、アカリ、サクラの3人は、“しょぼ能力”を用いて絶望した世界を壊すために「EVOL=邪悪なワルモノ」になることを選ぶ。その過程では、“虐待”、“盲信”、“人種差別”といった、現実を想起させるリアルで過激なテーマが描かれており、暴力描写も容赦はない。DMM TVでは「PG12」の年齢制限が付いていることも納得の内容で、深みや重みのある物語に刺さった声が特に多かった。 「最初は単なるヒーロー対悪役の物語だと思っていたのですが、まさかの現代社会を風刺する内容で驚きました」 「結構ショッキングなシーンもあるけど 描写としては理解が出来る。異能力がショボいのも可愛いし ヒーロー自体も裏ではダークだったりするのでどっちも全く正統派ではないのが少し斬新。これから先が楽しみ」 「グロい感じのストーリーがよかったです!」 「最悪最低の現在社会を的確に表現してる」 この若者たちが抱える大きすぎる苦悩や、それをバネにダークヒーローへと心を染めていく様子は胸に迫るものがある。だが、タイトルの「しょぼ能力」通り、コメディ的な展開も随所にちりばめられているのも魅力に感じる声も多数あり、様々な要素がテンポ良く描かれていることで、早く続きが観たいとのコメントが多く集まっていた。 「しょぼ能力を持つ3人のこれからがとても気になりました。笑ったり考えさせられたり場面場面でヒヤッとさせられたりの連続でした。続きがまた観たいです」 「タイトル見て内容が想像つかなかったけど、観てみると意外な感じで面白く見入ってしまう。しょぼいってタイトルがはてな?って感じだったけど、逆にそのしょぼさが興味をそそってしまう」 「クスッと笑える所が要所要所にあり、これから3人がどんなダークヒーローになるのか楽しみです!」 ■思わず「しょぼ」と声が出る…EVOLたちの能力とは? ここからは、個性が強すぎるキャラクターたちを紹介していこう。まずはしょぼ能力を手に入れた「EVOL」の3人から。ノゾミが手に入れたのは「指で小さな穴を開けられる」能力だ。自殺に失敗し病院で入院していたある日、左の人差し指を使って直径1センチ、深さ3センチの穴を開ける能力に目覚める。ライトニングボルトに助けられた過去を持ち、幼少期はヒーローに憧れていた。第1話の冒頭では上半身裸の状態で左胸から煙を上げて倒れていたが、能力に目覚めたこととなにか関係が…?昨年と今年で6本の主演作が公開された青木柚が演じており、現在22歳ながら危うさの漂う中学生役を見事に表現している。 青木と同じく子役出身の伊礼姫奈が演じるアカリは、「手のひらから火を出せる」能力に目覚めるが、実際出せる火の大きさはランプぐらいのサイズ。第1話の冒頭では、冷凍室で凍りかけた状態で倒れていた。自分の意思とは関係なく暴言を吐いてしまう性格であり、目つきが悪く常に人を睨んでいるように思われている。父親から虐待を受けており、腕には無数の傷があるが…。 『ミッドナイトスワン』(20)で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した服部樹咲が演じるのは、「5cmだけ空を飛べる」ことができるサクラ役。第1話の冒頭では、チアガールの衣装を着て頭から血を流しながら海に沈んでいて、一命を取り留めた後も、頭に包帯を巻き松葉杖を使用している。ノゾミと同じ中学に通っていて、「みんな私のこと好きか、妬んでいるか、どっちかだから」と話すほど、自信家な性格だ。 3人の能力にそれぞれ「しょぼ!」と声を上げているが、実はそんなことないと思うシーンも多くあり、「しょぼいという割にはその能力によって大変な事件や事故につながっていて、自分としては十分立派な超能力ではないかと思った」という声も。また、それぞれが一度は自ら死を望んだ理由も心にずっしりと重みを残し、登場からしばらく彼らがローテンション気味なことにも合点がいくだろう。 「しょぼ能力であっても世界を変えることができる!小さい頃、超能力が使えたらなーと思ったことがありましたが、まさに夢のような話。 誰にでも生きている意味があるのだなあと考えさせられます。 続きが気になります!!」 「最初の"ヒーローになれない"って言うところからEVOLにいたるまでちっちゃくて臆病な能力の必死の反抗がひしひしと感じられてハマりまくりです」 「思わず釣られてこちらもショボっと言ってしまいました。そんな能力ですが使い道しだい…そんな彼らが今後どう暴れるのか、楽しみです」 ■胡散臭くてクセの強い大人たちに「『正義』を名乗ってる奴らがしっかり気持ち悪い!」 「手のひらから電気を出す力」を持つスーパーヒーローのライトニングボルトと、妹のサンダーガールも、「EVOL」の3人に負けず劣らずクセが強く魅力的だ。2人は、街の人々が困った時にすぐさま駆けつけては人々を救う、まさに“正義のヒーロー”であり、自身が主人公のコミックが出ているほど少年少女の憧れの存在でもある。 しかし、「ライトニングボルトみたいになれるかな?」と幼少期のノゾミに問われた際は、「それは無理だ。『能力』は遺伝によってのみ受け継がれる」と夢のない答えを返してしまう真っすぐすぎる性格の持ち主。一方のサンダーガールは、第2話までの時点では一切会話がない超無口キャラ。タバコが苦手であると兄のライトニングボルトが明かされるが、いままで妹と会話をしたことがなく、苦手な理由は不明である。本当にきょうだいなのか疑ってしまう不思議な関係に、どこか掴みきれなさを感じるだろう。 そしてこの2人は、実はこの街の市長の“飼い犬”であるから驚きである。強大な能力を用いて、裏では市長の命で邪魔者の抹殺を行っており、しかも本人たちは“正義”であると信じ切っているのだ。「ザ・ボーイズ」や「ウォッチメン」を彷彿とさせるアンチヒーローなライトニングボルトと、世界を壊そうと画策するEVOLがどのように関わっていくのか、今後の展開に気になって仕方ない! そのほかにも、安田顕演じる胡散臭さ全開の見た目な市長や、ホストに貢ぎすぎて実家を勝手に売った「整形崩壊ブス」ことチホミ(石澤美和)、頭に天使の輪っか?を付けた中年の自警団たちなど、能力を持っていなくともキャラクターとしては強烈な人物ばかり。なかには感想コメントでは足りず、“ファンアート”として投稿しているユーザーもいて、登場人物の個性が爆発している本作だからこそだ。 「ライトニングボルト、良い声してます」 「『正義』を名乗ってる奴らがしっかり気持ち悪い!笑 その中でも安田顕さん演じる市長が一番嫌だ!でもある意味それが人間らしい これから3人とその薄っぺらい正義たちが、どう交わるのか楽しみです!」 「市長役の安田顕さんの髪型がキモくて良かった」 ■ダイナミックなバトルをハイクオリティなVFXで表現!原作者も絶賛なこだわりの画づくり 原作者のカネコと言えば、しっかりと強弱のハッキリした線で描かれたアメコミのようなタッチが魅力で、「EVOL」のほかにも「BAMBi」、「SOIL」、「デスコ」、「サーチアンドデストロイ」などを世に送りだしている。その圧倒的筆力や唯一無二なストーリーとテンポ感で独自の世界観をまとう“カネコワールド”は、原作ファンから「カネコアツシの漫画をどう実写化するんだろう?と思ってた」という声もあるほどだ。 そんな「EVOL」の実写化を実現したのは、『ゴジラ-1.0』(公開中)も手掛けているスタジオ、ROBOTだ。数々の実写化不可能と呼ばれた作品を制作していており、本作でもヒーローたちの特殊能力やそれに伴う建造物の崩壊などを、流石のVFXで表現。『もっと超越した所へ。』(22)や放送中のドラマ「時をかけるな、恋人たち」の山岸聖太監督がメガホンを取り、カネコが描くダイナミックなバトルを安定感のある映像表現で再現している。 これには実写化を不安視していた原作ファンも「カネコアツシの世界観が実写で観られるの最高です」「第1話を観て原作の世界観を完璧に再現している映像に引き込まれました!!」と、大満足の完成度のようで、原作者のカネコも自身のXにて、「僕が原作で表現したかった少年少女の刹那的な空気感を、山岸監督がせつなさ全開で描いて下さってます」と絶賛。また原作未読だった視聴者も、「漫画が原作だと知りました。是非漫画も読んでみたいです」とコミックに興味を示す声もあり、この機に原作とドラマの両方楽しむのも一興だろう。 毎週金曜日に最新話が公開され、現在は第4話まで配信されている「EVOL(イーヴォー)~しょぼ能力で、正義を滅ぼせ。~」。DMM TVの公式YouTubeチャンネルでは期間限定で第1話をまるごと無料公開しており、「DMM TV」では30日間の無料体験も実施中だ。正義の味方しか持つことのない“能力”に目覚めたノゾミ、アカリ、サクラは、世界を壊すことはできるのか?混沌を極めていく物語に刮目せよ! 文/サンクレイオ翼