「11th Single ひなた坂46 LIVE」の様子。（撮影：上山陽介）

日向坂46のアンダーメンバー“ひなた坂46”によるワンマンライブ「11th Single ひなた坂46 LIVE」が7月3、4日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで開催された。この記事では2日目公演の模様をレポートする。 【写真計40枚】ひなた坂46のワンマンライブ「11th Single ひなた坂46 LIVE」の様子 本公演には日向坂46初の選抜制が導入された11thシングル「君はハニーデュー」においてアンダーメンバーひなた坂46（ひらがなひなた）となった高瀬愛奈、高本彩花、濱岸ひより、高橋未来虹、森本茉莉、山口陽世、石塚瑶季、小西夏菜実、清水理央、竹内希来里、平岡海月、渡辺莉奈の12名が出演。ひなた坂46のライブが行われるのはこれが初となった。 ■ 高本彩花「笑って終わろう！」 オープニングでは4月のデビュー5周年記念コンサート「5回目のひな誕祭」にて録音されたおひさま（日向坂46ファンの呼称）の声入りの「Overture」が鳴り響く。鮮やかな衣装でステージに登場したひなた坂46は、本公演の座長である高橋の煽りを合図に「ってか」で力強くライブを開始。この曲でセンターを務めたのは、最新シングル「君はハニーデュー」の活動をもってグループを卒業する一期生・高本だ。会場中のおひさまはポニーテールを揺らしながらしなやかに舞い踊る彼女の姿に夢中になりつつ、声をそろえて盛大なコールを送った。 怒涛の勢いで序盤のブロックを駆け抜けると、“あや姉さん”こと高本は「ひらがなひなたを盛り上げるために私も全力でがんばります」「笑って終わろう！」と意気込む気持ちと笑顔を見せる。続いて披露された三期生曲「青春ポップコーン」では竹内と渡辺から振りのレクチャーを受けた会場のおひさまが、メンバーと一緒になって一斉に“ポップコーンジャンプ”。二期生楽曲「世界にはThank you!が溢れている」の途中には清水が華麗なフラッグパフォーマンスを繰り広げ、場内に高揚感をもたらした。 ■ 座長・高橋未来虹が語るひなた坂46への思い 懐かしのユニット曲を披露するコーナーでは、森本と山口が三期生である上村ひなののソロ曲「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」、高本と濱岸が加藤史帆のソロ曲「男友達だから」を情感たっぷりにデュエット。曲中、濱岸に対するリアルな友情が歌詞の内容に重なったのか、高本の頬をひと筋の涙が伝った。さらに高橋が佐々木美玲のソロ曲「わずかな光」を1人で歌唱し、安定感のある歌声で客席を包みこんだ。 ライブ終盤はダンサブルなナンバーが連続。「My fans」では渡辺、「愛はこっちのものだ」では濱岸、「恋した魚は空を飛ぶ」では小西をセンターに据えながら、メンバーが一枚岩になっての迫力あるパフォーマンスが展開された。座長の高橋が「私は周りの人に『私に足りないものはなんだろう？』と聞いたとき、『自信が足りない』と言われることが多くありました。そんな自信のない自分から脱却したくてこれまでがんばってきました。そしてこのタイミングでひなた坂46の座長に選んでいただき、今の私にとっては大きすぎる試練だなと思うと同時に、自分が何か変われる大きなきっかけであると確信しました」「このライブがひなた坂46の未来につながること、ひなた坂46がさらに坂を登り続けていくことを心から願っています」と自信を顔ににじませながら語ったあとは、「君はハニーデュー」にカップリング収録されているひなた坂46の楽曲「錆つかない剣を持て！」へ。曲が始まる前、この曲でセンターを務める高橋は刀をもって迫真の剣舞を披露し、おひさまの視線を釘付けに。そしてチャイナ服風の衣装を身にまとったひなた坂46による切れ味鋭い歌とダンスが繰り出された。 ■ 涙と笑顔にあふれた高本の卒業セレモニー アンコールでは高本の卒業セレモニーが盛大に行われた。プリンセスのような絢爛なドレスとティアラを身に着け、ステージに1人現れた高本はこの瞬間のためにしたためてきた手紙を読み上げる。2016年に日向坂46の前身グループ・けやき坂46（ひらがなけやき）のメンバーオーディションに合格した彼女は8年間の道のりに思いを馳せつつ、「私にとって日向坂46は温かくて優しくて、居心地のいい大好きな場所でした。大好きなメンバーと一緒に目標に向かって心をひとつに、切磋琢磨して活動する時間が本当に幸せで、かけがえのない思い出でいっぱいです」「憧れだったアイドルになって、自分の考え方や人格がアイドルになる前より好きになれたことは人生の財産です」と、涙で瞳を輝かせながら語った。 高本がメンバーやおひさまに向けて思いを伝え終えると、同じく日向坂46の一期生である加藤史帆、佐々木久美、佐々木美玲、東村芽依が「11th Single ひなた坂46 LIVE」の出演メンバーでないにもかかわらずステージへと駆け付けた。彼女たちは2018年にパシフィコ横浜 国立大ホールで行われた「けやき坂46『走り出す瞬間』ツアー」初日公演の思い出話などに花を咲かせたのち、高本とともにけやき坂46時代の楽曲「おいで夏の境界線」を歌唱。客席はホワイト、エメラルドグリーン、パステルブルー、レッドといった高本の新旧のペンライトカラー計4色できれいに染まった。 続いて二期生の小坂菜緒もステージに合流。高本、加藤、小坂、佐々木久美、佐々木美玲によるユニット曲「Footsteps」が披露されると、会場のおひさまはこれが最後と思われるオリジナルメンバーでのパフォーマンスを目に焼き付けた。アンコールの終盤には選抜メンバー含む日向坂46の全員がステージ上にそろい、高本の「みんなでやったら絶対に楽しいだろうなって」というリクエストに応える形で欅坂46の楽曲「永遠の白線」を歌唱。さらにメンバー同士肩を寄せ合い、涙を交えながら「JOYFUL LOVE」を歌い届けた。曲中、メンバーから卒業を祝う言葉と花を受け取り、幸福感と寂しさが合わさった表情を浮かべる高本。そんな彼女に向けてメンバーとおひさまは「あやちゃん大好き！」と声をそろえて愛をぶつけた。さらに「JOYFUL LOVE」の披露後、客席のおひさまが「2980日間ありがとう」と、高本のアイドル活動の日数と感謝の思いをつづった紙をステージ向けて掲げるサプライズも。晴れやかな笑顔を浮かべた高本は客席に向けて一礼し、ゆっくりとステージを立ち去った。 ここで2日間にわたる「11th Single ひなた坂46 LIVE」が終幕するかと思いきや、ひなた坂46はおひさまの声援に応えて再度ステージへ。高本のいない編成で、ひなた坂46としての初オリジナル曲「錆つかない剣を持て！」を再び披露し、この先の活動に対する強い決意をパフォーマンスを通して表明した。 ■ セットリスト □ ひなた坂46「11th Single ひなた坂46 LIVE」パシフィコ横浜 国立大ホール 2024年7月3日 01. ってか 02. ソンナコトナイヨ 03. You’re in my way 04. 青春ポップコーン 05. 世界にはThank you!が溢れている 06. どうする？どうする？どうする？ 07. ゴーフルと君 08. ハロウィンのカボチャが割れた 09. キレイになりたい 10. 一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない 11. 男友達だから 12. わずかな光 13. My fans 14. アディショナルタイム 15. 愛はこっちのものだ 16. 恋した魚は空を飛ぶ 17. 錆つかない剣を持て！ ＜アンコール＞ 18. ハッピーオーラ 19. 知らないうちに愛されていた 2024年7月4日 01. ってか 02. One choice 03. You’re in my way 04. 青春ポップコーン 05. 世界にはThank you!が溢れている 06. どうする？どうする？どうする？ 07. ゴーフルと君 08. 夏色のミュール 09. 割れないシャボン玉 10. 一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない 11. 男友達だから 12. わずかな光 13. My fans 14. Dash&Rush 15. 愛はこっちのものだ 16. 恋した魚は空を飛ぶ 17. 錆つかない剣を持て！ ＜アンコール＞ 18. おいで夏の境界線 19. Footsteps 20. 永遠の白線 21. JOYFUL LOVE ＜ダブルアンコール＞ 22. 錆つかない剣を持て！ ※高橋未来虹の高ははしご高が正式表記