アメリカで強まる「主犯は大谷翔平・水原スケープゴート」説 「大谷が移動中に使っていたスマホアプリが怪しい」疑念の背景には「トランプ再選」も
水原氏が語っていた「嘘」
大谷がこれまでスキャンダルと無縁で野球一筋だったことを知っている日本人からすれば、水原氏がESPNに当初語った「肩代わりしてもらった」というストーリーの方が受け入れやすいであろう。大谷や妻に言い出せないまま、いつしか4万ドルに膨れ上がってしまったと告白した水原氏の話にはギャンブル依存症の人間にありがちなリアリティもある。 だが、その話の中には「明確な嘘がある」とカリフォルニア在住の日本人は指摘する。 「水原氏はボウヤー氏を通したスポーツベッティングすることが違法だと知らなかったと語っていましたが、長らくロスで生活してきた彼がカリフォルニア州の特殊なギャンブル事情を知らないわけがありません」 カリフォルニア州は原則としてギャンブルは禁止されているが、カジノは複数存在する。 「スポーツベッティングが可能なのはカジノが認可されているアメリカ先住民のインディアン居留地のみ。そのほかにも『カジノ』と称した賭博施設はロス市内にも複数存在しますが、認められているのは客同士が掛け合うポーカーだけです。長らくロサンゼルスに住んで、カジノディーラーの学校に通っていた水原氏がそんな常識を知らないなんて考えられない」
背景には「アジア系への差別意識もある」
かくして「水原スケープゴート説」が強まってきたのだが、アメリカ人がこの説を支持するのには「トランプ人気が再び高まってきたことも関係している」と指摘するのはベテランの在米ジャーナリストだ。 「11月に行われる大統領選挙の共和党候補に『米国第一主義』を掲げるドナルド・トランプ前大統領が選ばれるのが確実になったように、アメリカでは低学歴で低収入の白人を中心に白人至上主義者やアジア系などへの差別主義者が多い。アメリカが世界をリードしている野球で、アメリカ人ではない大谷翔平選手が代表的なプレーヤーのようにもてはやされていることを苦々しく受け止めている国民は多いのです」 学歴詐称の疑惑まで出てきた今となっては、水原氏の話はもはや信用できない。疑惑を払拭するには大谷本人が表に出てきて、説明を尽くすほかないのである。
デイリー新潮編集部
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