郷土の歴史や伝説もとに三部作「うた芝居歌法師蓮生」を創作 清水一朗さん(90)6冊目出版
とちぎテレビ
郷土の文化・芸能の研究や発信に取り組んでいる宇都宮市出身の男性が地元にゆかりのある歴史などをもとに創作した新刊が出版されることになりました。 今月20日に出版されるのは宇都宮市に伝わる歴史や伝説をもとに創作された戯曲集、「うた芝居歌法師蓮生」です。元宇都宮市職員で歌舞伎・落語研究家の清水一朗さん90歳が米寿を迎えたころに思い立ちそれからおよそ2年がかりで出版にこぎつけました。 書籍の出版は今回が6冊目で内容は表題の「うた芝居歌法師蓮生」のほか「戯曲舌打ち阿弥陀」、「舞踊劇兜抱桜俤鏡」を含む三部作となっています。 蓮生は代々歌道に秀でた宇都宮氏の5代当主で、「小倉百人一首」の生みの親としても広く知られています。 今回出版する「歌法師蓮生」は1999年に行われた「宇都宮市民芸術祭」の創立20周年記念事業の舞台公演のために清水さんが書き下ろした「うた芝居」を活字化したものです。蓮生の生涯や、百人一首誕生にまつわるエピソードなどを清水さんのオリジナルを交えて描かれています。20年後の2019年の芸術祭創立40周年にはオペラなどの音楽を増やしてリニューアルし、再び舞台公演を実現させた清水さんにとっても思い入れのある作品です。 三部作はいずれも宇都宮出身の主人公にまつわる話で清水さんが地元にゆかりある歴史や伝説を発掘し、長きに渡り創作を続けてきました。 この戯曲集「うた芝居歌法師蓮生」は今月20日から販売され県内の書店やネットからの予約注文も可能です。 また清水さんはこの本をたくさんの市民に触れる機会をつくれたらと市内の学校や図書館といった公共施設への寄贈を念頭に宇都宮市と協議を行っているということです。 「歌法師蓮生」は鎌倉幕府の棟梁である「鎌倉殿」三代に仕えた重臣・宇都宮氏の5代当主、頼綱の出家したあとの名で、歌人としてや「小倉百人一首」の生みの親としても広くその名が知られています。 清水さんによりますと代々歌道にも秀でた宇都宮氏一族を中心に「宇都宮歌壇」と呼ばれる京都や鎌倉と並び評される地方三大歌壇が宇都宮の地にも形作られた歴史があったと話しこの本を通じて「郷土の歴史や風土を知るきっかけになれば」と期待を寄せています。
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