万博の参加国が奈良に集結 タイプAパビリオン、想定より大幅減か
開幕まで300日を切った大阪・関西万博。25日に奈良市で始まった国際参加者会議(IPM)には、参加表明している161カ国・地域の大半の代表者が集結したが、「万博の華」と言われる各国の自前パビリオンが、想定より大幅に減る見込みだ。 【写真】大阪・関西万博の海外パビリオン出展方式 各国が自前で設計・建設するパビリオンは、「タイプA」と呼ばれる。自由に設計できて個性的な外観になるのが特徴で、敷地面積もほかのタイプより広く、集客の要となる存在だ。 1970年大阪万博で「月の石」が展示されたアメリカ館や、宇宙船ソユーズが置かれたソ連館が、まさにそれだ。特にソ連館は高さ約110メートルに鋭く突き出た塔が特徴的だった。 今回の万博では当初、参加国のうち60カ国が「タイプA」での出展を予定していた。だが、コロナ禍で前回ドバイ万博が1年延期され、各国の準備は遅れた。資材高騰や人手不足の影響もあり、日本のゼネコンも各国との契約に二の足を踏んだ。 昨年7月、タイプAの建設遅れが表面化した。日本国際博覧会協会(万博協会)は工期短縮の策として、「プレハブ工法」の簡易な建物を日本側がつくって引き渡し、各国が内外装を担う「タイプX」を提案した。万博協会が建てたパビリオンの一画を間借りして出展する「タイプC」(テナント方式)への移行も促した。今回の万博ではほかに、万博協会が建てたパビリオン内に1カ国ずつの独立した展示部屋を設ける「タイプB」(マンション方式)もある。 その結果、6月19日までにブラジル、アンゴラなどの3カ国がタイプXに、スロベニアなど5カ国はタイプCへの移行を決めた。ロシア、メキシコ、アルゼンチンは撤退を表明。コロンビアが新たにタイプAで出展を決めるなどの動きもあったが、タイプAでの出展予定は51カ国となった。
朝日新聞社