第91回センバツ注目選手/7 阿部秀俊投手(盛岡大付・2年) タフな精神面、安定感
<第91回選抜高校野球> 堂々たるマウンドさばきがエースの風格を際立たせている。昨年の秋季東北大会は全4試合に登板した。低めを丁寧に突き、30回3分の2を投げて防御率1・17。抜群の安定感を誇った。 身長168センチと小柄な左腕だ。速球も最速132キロにとどまる。それでも、得意のチェンジアップを織り交ぜ、打者に的を絞らせない。同大会の奪三振は投球回数を上回る33。欲しい時に空振りを取れるのも魅力である。 昨秋の岩手県大会では、「最速157キロ右腕」として注目を浴びる佐々木朗希(大船渡)と準決勝で投げ合った。「夏の地方大会より多かった」と感じた観客。雰囲気は「アウェーのよう」。その中で完投し、7-5で競り勝った。「精神面が相当に鍛えられた」と振り返る。関口監督が高く評価するのも精神面のタフさ。「舞台がどうであれ変わらない」と信頼を寄せる。 チームが最後に甲子園に出場したのは2017年夏。同年春と同様、8強入りした。当時は1年生。アルプススタンドから声援を送った。 「一球で雰囲気が変わるのが甲子園。いいプレーを見せれば盛り上がる」。遠くから眺めた聖地のマウンドに自ら立つ日が近づく。【村田隆和】=つづく