夢に悩む人に刺さる「数分間のエールを」 アイドルが考えさせられた〝誰かの心を動かす〟ということ
「人の心を動かす」とは
この作品の好きなところは、すべてを奇麗ごとで終わらせないところである。どう見たってアニメの主人公としてふさわしいのは明るくがむしゃらな彼方の方である。だが、夕のような〝廃れた〟人間に対しても手を差し伸べてくれるようなそんなストーリーが本当に心地良い。夕はどうして夢をあきらめてしまったのか、その部分に丁寧にフォーカスを当ててくれている。人生は一筋縄ではいかないという事をきちんと描写している。アニメ作品に対しては、あまり使わない言葉かもしれないが、最後まで「信頼できる」作品であると私は思う。刺さる人には刺さるのではないだろうか。 そして、この作品の大きな題材である〝人の心を動かすモノ作り〟とは何だろうか。私自身がアイドルという仕事をしているからこそ無視できない言葉だった。自分の行動で誰かの心を動かすなんて、そんなことできるのだろうか。ましてや、今までできていたのだろうか。疑問と不安が積み重なる。後々まで自問させられる考える宿題を出された気分になった。
アイドル 堀陽菜