住みよさランキング全国2位獲得の愛知長久手市 その理由を探る
東洋経済新報社がこのほど発表した「住みよさランキング2015」で、愛知県長久手市が全国2位にランクインした。このランキングは全国の都市を対象に、安心度、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度という5区分の15指標で評価されているのだが、長久手市としては“住みよさ全国2位”というランキングをどう捉えているのか。また、なぜ2位になったか、市としての考察を直撃した。
実は4年連続10位以内。転入者数も増加中
「住みよさランキング」は毎年発表されており、長久手市は2013年6位、2014年4位。そして2015年、全国791市の中で2位となった。 しかし、なぜ全国2位になったのか。市として考えられる理由を、長久手市市長公室政策秘書課の平岡優一さんに聞いてみた。「本市の市街化区域の8割以上は土地区画整理事業で整備されており、下水道や都市公園といった都市基盤の整備が進んでいるので、『快適度』に関する都市インフラ等の統計指標が高く評価されたと思われます。また、名古屋市へのアクセスもよいので住宅地としての魅力が高く、まだまだ人口流入が続いております」 総務省住民基本台帳人口移動報告によると、長久手市への転入者数は2012年が約3400人に対して、2014年は約3800人に増加している。 平岡さんも「市の独自の考察で具体的な数字はないのですが、人口流入の影響で店舗などの出店も盛んです。財政状況については高い地価を背景に、固定資産収入が安定している点や、比較的所得の高い居住者が多いので個人市民税収入が安定している点が健在な財政状況の維持に貢献しています。それらの点も、“住みよさ全国2位”の評価に繋がっていると思われます」と続けた。
“日本一の福祉のまち”を目指したまちづくり
長久手市は2012年度から2015年度までの4年間で、“日本一の福祉のまち”を実現するため『3つのフラッグ 21の政策 70の取組み』という様々な活動をしている。 平岡さんとしても過去の活動の成果には手ごたえを感じているようで、「ランキングの結果については、これまで進めてきたまちづくりの成果が結びついていると思われます。この結果はよいシティーセールスの材料であると考えますが、あくまで指標の一つだと思っています」と語り、“住みよさ”について付け加えた。 「住みよさというのは、人と接する煩わしさが無い状態であるとも言えます。現在、市民一人ひとりがお互いに挨拶し、声を掛け合い、人とのつながりを大事にするまちづくりに取り組んでいるところであり、今後も継続していきたいと思っています」と、市が考える本来のまちづくりに対する想いを語った。 自分の住む町は、どんなところが住みやすいか。なぜ住みやすいのか。このランキング結果は、そのようなことを考えるいい機会かもしれない。