インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパキスタン国内で最大20件発生か
インド政府が首謀する超法規的な「テロリスト」殺害が2020年以降、パキスタン国内で最大20件発生──4月初旬、英紙ガーディアンがそんな疑惑を報じた。超法規的殺人は真実か、モディが沈黙する訳とは
だが、4月19日に始まる総選挙を控えたインドのモディ首相と与党・インド人民党(BJP)にとって、これは意外な贈り物だろう。敵対国パキスタンへの強硬姿勢のアピールは政治的得点になる。 【マイケル・クーゲルマン(米ウッドロー・ウィルソン国際研究センター南アジア研究所長)】 【動画】インドの空港で搭乗客の荷物から見つかったヒョウの赤ちゃん 19年2月、パキスタンを拠点とする過激派組織ジャイシェ・ムハマド(ムハマドの軍隊)が、カシミール地方のインド支配地域でインド治安部隊員40人以上を殺害した際、インドは報復措置としてパキスタン国内を空爆。 事件は同年の総選挙の焦点になり、BJPの圧勝につながった。以来、インドは強硬路線の対パキスタン政策を維持している。 本音の表れか、今回の報道についてインド側は沈黙状態だ。とはいえ高い支持率と弱い野党のおかげで、モディの3期目続投はほぼ確実。これ以上の「宣伝」は不要だろう。 From Foreign Policy Magazine