「レシートポエム展」をスタートさせたスミマサノリ。後方は壁に575枚のレシートを貼り付けた作品＝東京・渋谷区神泉町

俳優、スミマサノリ（54）が17日、東京・渋谷区神泉町のLiamgalleryでユニークな「レシートポエム展」（入場無料）をスタートさせた。 コンビニやスーパーなど、日々の買い物で受け取る商品明細が横書きで印刷されたレシートを利用した言葉遊びの展覧会。例えば、アボカド、インゼリマルチビタミン、シャキシャキ長いも、テイスティドレ黒酢たま、ルイボスティーMBを購入、1文字目を順に縦読みすると「アイシテル」になるレシートを作品として展示している。 他にもアポロチョコ、リアルゴールド、ガパオ、トッポの購入で「アリガト」の縦読みが完成したレシートも。また、文字数の並びが5・7・5になるよう商品を購入し、「ぶなしめじ　えのき　エビアン　豚ミンチ」というリズミカルな川柳にした上、合計575円にそろえた作品もあるほか、同様に短歌も生み出した。 「ぶなしめじ…の川柳はXなどSNSでバズってまして…」とスミはしてやったりの表情。「レシートは確定申告の経費計算だけでなく、印刷された文字は何かに使えると思って、最初に言葉ありきで集め始めたんです。セルフレジを使ったり、レジに順番に打ち込んでもらって6年ほど前から作品にしています」と明かした。ちなみに、レシートの印刷が読みやすいのは「Family　Mart」と「まいばすけっと」だという。 「誰でもできるので、クリスマスやお正月、バレンタインデーにさりげなく思いを伝えたいとき、購入したプレゼントに〝縦読み〟レシートを添えると面白いのでは」と提案。子供から大人まで楽しめる言葉遊びの参考になりそうで、会場には合計50点の縦読み・川柳・短歌の作品が展示されているほか、作品を印刷した小冊子（税込み1000円）も販売している。 会場には今回の展覧会の象徴として575枚のレシートを壁に貼り付けた作品も。妻（55）と長女（22）、次女（17）も面白がって展示を手伝ってくれたという。スミは「日常を少しでも楽しくしたり、クスッと笑える参考になれば」と話しており、2022年には「捨てられた椅子に座るシリーズ写真展」も開いて注目されるなど、〝捨てられる物〟への愛着や感性が人一倍強くあるようだ。 「捨てられる椅子の写真は、それをモチーフにした人間模様を脚本化して来年以降に舞台化する予定です」と新たな構想にも燃える。今年は7月に放送されたテレビ朝日系連ドラ「壁になりたいオタクのあたし。」などに出演、存在感を発揮しており「思い切り狂気的な役もやってみたい」と本業に対しても穏やかな表情に情熱をにじませた。

「レシートポエム展」は23日まで連日、スミも滞在して午前11時から午後7時まで開かれる。芸術の秋－。人を喜ばせる小さなヒントももらえそうだ。