報恩講で住民に感謝伝え しらみね大学村 結成3年目意欲新た
白山市白峰地域で研究などに取り組む全国の大学生でつくるサークル「しらみね大学村」は4日、白峰の「ちゅうじろ座敷」で、報恩講を開き、白峰に伝わる手作り料理で世話になった住民に感謝を伝えた。伝統行事を後世に伝える目的で昨年に続いて2回目。結成3年目を迎えた学生たちは、世界ジオパークに認定された白山麓を舞台にした活動へ意欲を新たにした。 報恩講は大学村に所属する金大、県立大、北陸大、金沢工大、福井大、名古屋大、東大、大谷大、金沢真宗学院の学生24人が開催した。 学生は春先から山菜などの食材集めに取り組み始めた。5日前からは住民の指導を受け、金時豆や堅豆腐などを煮込んだ郷土料理「コクショ」をはじめ、浄土真宗の宗祖親鸞聖人の好物とされる小豆の煮物、なますなどを準備してきた。 報恩講には住民や学生、招待客ら約50人が参列した。全員で正信偈(しょうしんげ)を唱えた後、コクショや山盛りによそわれたご飯など7品が輪島塗の食器で配膳された。 報恩講は親鸞聖人に感謝する行事で、白峰では毎年11月ごろに各家庭で親戚や近所の人を招いて法要を営む。近年は少子高齢化が進み、家庭で報恩講を行う家は少なくなった。 大学村共同代表で報恩講の当主を務めた岡田優作さん(金大3年)は「これからも白峰の皆さんのために頑張りたい」と話した。