39年ぶり新キャラ登場『サザエさん』 星宮くんの前は? 今ではおなじみのキャラクター
“初代”伊佐坂先生から三郎さんまで
フジテレビで放送中の国民的アニメ『サザエさん』(日曜午後6時30分)に、“星宮くん”という新キャラクターが登場した。星宮くんは体育の授業でカツオの走り幅跳びの新記録を破った、いわばライバル的ポジションだ。 【写真】波平とイクラちゃんに意外なつながり…『サザエさん』磯野家の家系図 『サザエさん』では約39年ぶりに登場した新キャラクターということもあり、ネット上では視聴者から「星宮くんイケメンじゃねえか」「途中で消えずに出続けてほしいなあ」など多くの反響を呼んでいる。 では星宮くん以前に登場した『サザエさん』の新キャラクターには、どんなエピソードがあったのだろうか。過去の新キャラクター登場回や印象的なエピソードを振り返ろう。 まず、1970年8月30日放送の「巨匠イササカ氏あらわる」で“初代”伊佐坂先生が登場している。初代伊佐坂先生は売れっ子小説家でしょっちゅう締め切りから逃げており、2代目とは違って頭髪もふさふさだった。そして、奥さんのお軽さんも同時に登場している。 78年5月7日に放送されたのは、先代の隣人である“浜さん一家”の登場エピソードだ。一家の構成は画家の浜さん、奥さんと娘のみつ子さん、そして犬のジュリーである。浜さんが引っ越してきた際、磯野家と自分の家を間違えて勝手にあがりこんでいた様子が描かれている。 その後、85年3月31日放送の「早春伊豆長岡の別れ」(前後編)で、浜さん一家は伊豆へ引っ越すことに。この時、波野ノリスケ一家も一時名古屋へ転勤となり、主要なキャラクターが大幅に退場することになった。 ちなみに、同年7月には、三河屋のご用聞き・三郎さんが新キャラクターとして登場している。この年は、浜さん一家との別れや波野家の転勤、2代目伊佐坂一家の登場に、三郎さんも登場と、キャラクターの入れ替えが激しかったことが分かる。 現在、視聴者になじみの深い“2代目”伊佐坂一家が登場したのは、85年7月21日放送の「お隣の大先生」でのこと。興味本位で隣家を見に行ったサザエがお軽さんに見つかってしまい、とっさに「三河屋です」とうそをついてしまったエピソードが描かれている。 伊佐坂先生が書いているのは、意外にも恋愛小説で、引っ越してきたばかりの頃は先生のファンが「登場人物の男女はこの後、どうなるのか?」とたずねにきたこともあった。ちなみに小説のタイトルは『愛のつむじ風』というロマンチックなものだった。そのほか、磯野家を題材にしたエッセイなども書いている。 伊佐坂一家は、もともと長谷川町子先生の『似たもの一家』という別の漫画の登場人物で、その後、漫画『サザエさん』の中でお隣さんとして登場した。アニメオリジナルかとおもわれたフネとお軽さんの幼なじみ設定も、原作そのままなのだ。 このようにアニメ『サザエさん』では、原作漫画の設定を大切にしながら、新キャラクターの登場が慎重におこなわれてきた。それだけに、今回の星宮くんの登場は視聴者にとって新鮮なものに映ったかもしれない。星宮くんは今後どのように磯野家との関係性を深めていくのだろうか。彼の登場により、作品に新しい風が吹くことを期待したい。
カキMONO.1