「ここで一発頼む」期待に応える左翼越え適時打 天草拓心・浪瀬選手
(9日、第106回全国高校野球選手権熊本大会 八代清流5―3天草拓心) 「一気に走者をかえしてやろう」。四回表、2死一塁で打席に立った天草拓心の浪瀬徠寿(らいき)選手(3年)は外寄りの直球を思い切り引っ張った。上がりすぎたと思った打球は左翼手の頭を越えて適時三塁打となり、チームに先取点をもたらした。 4点を追う六回表には2死一、二塁から再び外の直球を引っ張り、再びレフトオーバーの2点適時三塁打。「ここで一発頼む」という仲間の期待に見事に応えた。 2014年に3校が併合して出来た天草拓心は、野球部が夏の大会未勝利のままだ。チーム悲願の「夏の1勝」には惜しくも届かなかったが、適時打を放って三塁上から見た、ベンチで沸く仲間たちの笑顔が最高の宝物になった。(吉田啓)
朝日新聞社