「いい人」に出会い、「切ない」に共感する展覧会 福岡パルコで
ビュッフェでお寿司があることを教えてくれる人――、自分からは電話を切れない人――。日常の様々な場面で出会う「いい人」に光を当てる一風変わった展覧会が、福岡市・天神の福岡パルコで開かれています。「切ない」場面の展示と合わせて、2月4日まで。 【写真】「いい人」「切ない場面」がいっぱいの会場
日常の気づき
「いい人すぎるよ美術館+切ないすぎるよ博物館」と銘打った催し。クリエイティブディレクター・明円卓(みょうえん・すぐる)さん(34)ら9人によるチーム「entaku」が発案しました。 メンバーが毎日の生活で出会ったり、気づいたりした「いい人」と「切ない場面」を、イラストや写真などを添えて約150点ずつ紹介しています。
ネタ集めから
チーム「entaku」の9人は、いずれもクリエイター。新しい企画につながればと、日常の気づきなどを書き留めていたメモから、アイデアが生まれたそうです。 2022年11月、東京・原宿のビルの一角で2日間、「嫌だな」と感じる場面を紹介する「やだなー展」を初開催。初日の来場者によるSNSでの拡散で、2日目は2時間待ちの行列ができるほどの盛況ぶりでした。 23年6月の「いい人すぎるよ展」(3日間)なども人気で、「地方でも開いて」との声を受けてパルコと連携。今回の「いい人すぎるよ美術館+切ないすぎるよ博物館」を池袋パルコ(23年11~12月)からスタートし、全国のパルコ計6か所で開催します。福岡パルコは九州唯一の会場です。 なお、展示には、関連する絵や写真、立体物などが添えられています。絵を担当するentakuのメンバーでイラストレーターの佐々木日菜さん(23)は「普段の私のイラストとは違い、『シュールかわいい』を意識して描きました」と話します。 「やだねー」、そして「いい人」。対極の企画を次々と生み出せるのは、すごい――。そう思っていると、佐々木さんからはこんな話も。「『いい人』と『嫌だな』は遠そうだけど、近いと思います。みんなが嫌だと思うことが何か分かっていて、それをしないでいてくれるのが、いい人ですから」