学生には人気職業だが…公務員の「安定した雇用・給料」が実は“デメリットにもなる”ワケ
反面、デメリットも
■「一つの職務にじっくり取り組める」は、裏を返せば「チャレンジしづらい」 公務員にもデメリットはあります。一つの職務にじっくり取り組める反面、新しい仕事にトライするとか、収入を上げるためのチャレンジがしづらいという点です。 公立高校の先生は一生懸命に教えて大学進学の実績を上げたとしても、それだけで給料が上がることはないでしょう。また、一度学校の先生になったら基本的にはずっと学校の先生のままであって、いきなりほかの仕事を担当することは稀です。 それに対して、塾の講師の場合、人気講師になって生徒さんをたくさん集められるようになれば給料が上がるかもしれません。塾にも人事異動があって、マーケティングだったり、人事だったり、新しい仕事にチャレンジさせてもらえる可能性もあります。 同じ会社の中でもいろいろな仕事が経験できて、仕事の幅を広げられるというメリットが考えられますが、学校の先生はこのような形のチャレンジはできません。 ■「職場を変えてキャリアアップ」が難しい また、公務員は職場を変えてキャリアアップを図ることが難しいとも言えます。塾の講師なら給料や職場環境などよりよい条件の塾へ移ることが可能です。一方で、公立学校の先生は、基本的には決められたところで働き続けることになるので、選択の幅が狭まってしまうデメリットがあるかもしれません。
自分にとってのメリット・デメリットを見きわめよう
公務員に限りませんが、物事にはメリットとデメリットがあるものです。また、ある人にとってメリットであることが、ほかの人にとってはデメリットとして作用することもあります。公務員のメリットとデメリットをよく認識し、自分の希望や適性などと照らし合わせてチャレンジしてほしいと思います。 小林 尚 個別指導塾CASTDICE 塾長、教育系YouTuber 1989年埼玉県生まれ。個別指導塾CASTDICE塾長。先取り・演習量を重視した独自の指導法で受験生をサポートしている。高校受験で開成高等学校に入学し、東京大学文科一類に現役合格。卒業後、経営コンサルティング会社の戦略部門を経て、株式会社キャストダイスを設立。得意領域は教育×コンサルティング。 YouTubeチャンネル「CASTDICE TV」では、受験情報にとどまらず職業・進路情報を高頻度で発信。著書に『開成・東大卒が教える 大学受験「情報戦」を制して合格する勉強法』(KADOKAWA)がある。
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