夫婦ともに50歳代、子どもの大学進学で貯金を使い果たしました。自分たちの老後資金のために、今からどんな準備ができるでしょうか?
結婚して子どもがいる世帯にとって、40~50歳代は子どもの教育資金などもかかるため、貯金が大幅に減りかねないタイミングです。実際に貯金を使い果たしてしまうと、今度は自分たちの老後の不安が大きくなってくるでしょう。子どもに養ってもらうのを期待する前に、まずは自分たちで老後資金を貯めておく必要があります。 本記事で、50歳代の夫婦が老後資金のためにできる準備について考えてみましょう。
老後生活に必要な資金は?
本項ではいくつかのデータをもとに、老後の生活にどの程度のお金が必要なのかを推計してみます。 総務省統計局の「令和5年 家計調査報告」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における平均実収入は、月あたりで約24万5000円でした。月の平均可処分所得が約21万3000円であるのに対して、平均消費支出額は約25万1000円となっています。年金を中心とした生活では、毎月3万8000円の赤字です。 同属性の世帯の住居費は、月あたりの平均で約1万7000円でした。多くの世帯が持ち家で家賃がかからないため、この金額となっていると考えられます。賃貸住宅に住む場合は、毎月さらなる支出となり、年金のみでは赤字となりかねません。 公益財団法人生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、老後の最低日常生活費は月あたりの平均で23万2000円となっています。家計調査の平均消費支出額を下回っていますが、日常生活に最低必要な金額と考えれば妥当でしょう。一方で、ゆとりのある老後を送るのに必要な生活費の平均は、月あたりで37万9000円でした。 家計調査では月あたりの平均可処分所得は約21万3000円なので、ゆとりのある老後を送るためには16万6000円ほど足りません。仮に、ゆとりのある老後生活に足りない金額を月あたり20万円とした場合、25年間では6000万円となります。50歳代で貯金を使い果たした夫婦にとっては、目指すのは容易ではありません。