『おむすび』仲里依紗らが渾身のパラパラ披露 結から歩、歩から翔也に繋がったバトン
翔也(佐野勇斗)が連れて行かれたのはクラブ。そこには歩(仲里依紗)がいた。『おむすび』(NHK総合)第64話で、歩は翔也にギャルの精神を伝える。 【写真】仲里依紗&松井玲奈&浅川梨奈のパラパラシーン ギャルになろうとして結(橋本環奈)から嫌われた翔也は、街中でギャルに絡まれ、クラブに連行される。グラスを傾けていると三花(松井玲奈)、続いて歩がやってくる。 「あんたギャルになりたいんだって?」 翔也がギャルになりたがっていると知り、歩はギャルがどういうものか語る。「自分を偽るためにやってんじゃないの。好きでやってんの」「どうせギャルやるんだったら、カッコじゃなくてここマネしなよ」と言い、自分の心臓を指で示した。 歩は翔也に語りかける。苦しい心中を察し、それとなく寄り添う歩なりの気づかいだ。歩の「つらいこと」は真紀(大島美優)のことだろう。「大好きな人と、今この瞬間を大切に思いっきり楽しんだら未来も変わるかもよ」と言い、「これから何でもできる。だって、あんた生きてんだから」と力を込めた。 クラブを選んだ理由はもう一つあった。歩たちはステージに並んでパラパラを踊り出した。見ていた翔也の目に少しずつ光がともる。歩に促されて踊るうちに、翔也は笑顔を取り戻した。仲や松井、浅川梨奈らがヒョウ柄コーデのギャル軍団にふんした。彼女たちが披露するパラパラは、今この瞬間を楽しむギャルマインドを体現していた。
翔也は糸島フェスティバルで結のパラパラを目撃している。その時、客席後方から見ていたのが歩だ。当時の歩は過去と折り合いをつけられていなかったが、結のパラパラを見てから、歩は吹っ切れたように人生を謳歌している。歩のパラパラは、結から受け取ったものを今度は翔也に返しているように見えた。 第13週では、自分を大切にすることについて考えさせられた。選手生命が断たれた翔也は絶望のどん底にいる。何もかもおしまいで、どうしたらいいかまったくわからない状態だろう。冗談みたいな突然のギャル化は、翔也からすればいたって真剣だ。その翔也に、歩は人生を肯定することをパラパラを通して伝えた。 永吉(松平健)と佳代(宮崎美子)に迎えられた結は、帰る場所があることを嚙みしめたに違いない。カラオケの十八番で変わらない愛を歌う永吉と、永吉を好きな理由を「一緒にいるだけで毎日が幸せ」と話す佳代。その言葉は結の未来を予感させた。陽太(菅生新樹)と恵美(中村守里)の交際は、過去回で恵美が陽太を気にするそぶりがあり、なかば既定路線。報われなかった陽太には幸せになってほしいと思う。
石河コウヘイ