浸水隠しの旅客船「クイーンビートル」捜査終結まで運航再開せず…JR九州社長「みなさまにおわび」
JR九州の子会社「JR九州高速船」(福岡市)が、博多―韓国・釜山港を結ぶ旅客船「クイーンビートル」(定員約500人)の浸水を隠して3か月以上運航を続けていた問題を巡り、JR九州の古宮洋二社長は23日の定例記者会見で、少なくとも福岡海上保安部による捜査が終結するまでは、運航を再開しない考えを明らかにした。船は8月13日から期限未定で運休している。 【写真】クイーンビートルを捜索する海保関係者ら(17日午前、福岡市博多区の博多港国際ターミナルで)
古宮氏は会見で、同社が設置した第三者委員会の調査は11月中にも結果が出るとの見通しも示したうえで、「社員全体の安全意識を高め、(船首に亀裂が相次いで入った)船のハード的な対策もする。その先に運航再開もある」と述べた。
福岡海保は今月17日、JR九州高速船と船を船舶安全法違反(臨時検査不受検航行)などの容疑で捜索。古宮氏は会見で「みなさまにご心配とご迷惑をおかけしておりおわび申し上げます」と謝罪し、「捜査に真摯に対応する」と述べた。
JR九州高速船は昨年2月にも検査を受けずに航行し、同年6月に書類送検され、11月に罰金の略式命令を受けるなどした。運航再開に向け、古宮氏は「昨年は罰金で終わったが、(今回は)それで終わるかどうかを見ながらということになる」と述べ、刑事処分の行方を見守る必要性があるとした。