【欧州市況】国債、株ともに下落-パウエル氏発言で利下げ見通し後退
(ブルームバーグ): 来週相次ぐ欧州中央銀行(ECB)政策当局者らの講演を前に、短期金融市場で予測される今後のECBの利下げ幅が15日は縮小した。これを背景に大半のユーロ圏債券が下落し、特に短期債が落ち込んだ。
短期金融市場が織り込む12月のECBの利下げ幅は30bp(ベーシスポイント、1bp=0.01%)。来年はそれぞれの会合について予想される利下げ幅が最大4bp後退し、同年末までに見込まれる利下げ幅は計143bpとなった。
英国債のイールドカーブは米国債と並行してスティープ化し、トレーダーが予想する来年前半のイングランド銀行(英中央銀行)の利下げ幅は2bp拡大した。
欧州株式市場では売りが先行し、ストックス欧州600指数は0.8%下落した。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が14日に利下げに慎重な発言をしたことを受け、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げに対する市場の期待が後退した。
業種別ではメディア、ヘルスケア、テクノロジー株の下げが大きく、一方でアルミニウム価格の上昇により鉱業株が伸びた。中国が500万トン以上の輸出アルミニウムを対象とする税還付の廃止を発表したためとみられる。
トランプ次期米大統領がワクチンへの懐疑的な見方で有名なロバート・ケネディ・ジュニア氏を厚生長官に起用する意向を示し、仏製薬会社サノフィなどワクチンメーカーの株価が下落。メディア株もこのニュースを受け下落した。
原題:Bunds Pare Drop, Traders Trim Rate-Cut Bets: End-of-Day Curves、European Stocks Fall as Traders Trim Rate-Cut Bets; Sanofi Drops(抜粋)
--取材協力:Philip Sanders.
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Allegra Catelli