ebookjapan書店員・信太祐介さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」6冊「宿命に向き合い、乗り越えていく」
人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?
◆『カメレオンジェイル』井上雄彦 Story Planner:渡辺和彦/集英社 「連載がスタートした当初、『めちゃめちゃかっこいいマンガを描く人が出てきた! 』と衝撃を受けました。大都市ニューヨークを舞台に描かれた本作は、小学5年生の少年の目には都会的ですごくスタイリッシュに映り、ところどころに入ってくる小さなギャグシーンが演出するギャップがたまらなくて、何度も繰り返し読みました。いま読み返しても思いは変わりません」
信太祐介さんの「マンガを読むときのマイルール」
「年末年始などの連休期間に、溜めていた好きなマンガを寝落ちするまで読み続け、目が覚めた瞬間から続きを読む……という、どっぷりマンガ漬けの時間を過ごします」
今、最も注目している新人作家とその作品は?
◆『オッドスピン』菅野カラン/講談社 双子の姉妹はなぜ「なんとなく」地面師になったのか。土地の所有者に成りすまし、金を騙し取る詐欺師、地面師に目をつけた姉妹が繰り広げるクライムサスペンス。 「主人公は地面師(不動産の詐欺師)の姉妹。近場へ日帰り旅行にいくぐらいのノリで巨額の詐欺を淡々と進めていくふたりの様子が、作者独特のテンポで描かれていきます。不穏と平穏が同居しているような、なんともミステリアスな空気に満ちていて、姉妹に相対するキャラも得体のしれない曲者揃い。今後どう展開していくのか、すごく注目しています」
2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?
◆『かしこい猫もも太』中田あも/少年画報社 ギャルのアミはピンク色の猫・もも太と暮らしている。もも太は話すことができ、スマホも使いこなすほど賢い。そんなアミともも太の日常ほのぼのストーリー。 「言葉が話せてスマホも使いこなすという、ぶっ飛んだ設定の猫・もも太と、もも太の過激な行動にも慈愛に満ちたツッコミを入れる飼い主のアミ。もも太がウザかわいくてたまりません! ほっこり楽しく読んでいくと、やがて驚きの秘密が明かされます。笑いと涙が詰まった隠れた名作。泣きました!」 ebookjapan書店員 信太祐介(しだ・ゆうすけ)さん 2007年株式会社イーブックイニシアティブジャパン入社。「ebookjapanマンガ大賞」や、人気作家のルーツと今に迫るインタビューシリーズ「漫画家のまんなか。」などを企画・担当。 発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024 眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。
大嶋律子(Giraffe)